“希少性”ではなく、使ってナンボのモデル「シビック タイプR」 ~エンジニアが込めた想いとは?~(2/4)
- 筆者: 山本 シンヤ
- カメラマン:茂呂幸正/和田清志
欧州シビックに「強さ」と「軽さ」をプラス
大幅にパフォーマンスアップしたパワートレインに合わせて、車体/シャシーも徹底的に磨き抜かれた。
実はベースとなる欧州シビックは、ノーマルモデルでも先代シビック タイプRユーロ(FN2)並の剛性を備えているのだが、そのボディをベースに「強さ」と「軽さ」がプラスされた。具体的には接合面積を大きく取ることが可能な構造接着剤の広範囲での採用に加え、フロントセクションを中心に補強材の追加などを実施することで、接地点横剛性を18%アップしている。
フットワーク系は形式こそノーマルと同じだがタイプR専用品を新規に開発。フロントはトルクステアを低減と直進安定性に効果のある「デュアルアクシスストラット」、リアは高い旋回Gでもスタビリティを発揮する「クラッシュドパイプトーションビーム」を採用。
欧州シビックはセンタータンクレイアウトを採用するため、ヒップポイントを下げるのが非常に難しい。だが、「走りのためには必要不可欠」と言うことで、シート骨格やパッドの構造まで大きく手を加えた「ホンダ タイプRシート」を採用。ノーマル比マイナス20mmのヒップポイントを実現させた。またDカット形状のステアリングは操作性を追求したグリップ形状の専用品だ。
メーターもタイプR専用で、REVインジケーターはもちろん、マルチインフォーメーションディスプレイには、7つの車両情報以外にもラップタイム/0→100km/h加速/0→400m加速などの計測も可能となっている。
また、欧州シビックの居住性の高さはタイプRでもそのまま。リアシートを畳まなくてもタイヤ4本が収納可能なラゲッジスペースも用意されており、ハッチバックとしての機能性は一切損なわれていない。
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