試乗レポート

チカラもエコもデザインも！至れり尽くせりな欲張りクロスオーバー／ボルボ V60クロスカントリー D4 試乗レポート(3/4)

公開日:2015/10/23 10:14 最終更新日:2015/10/23 10:14

筆者：今井優杏
カメラマン：阿部昌也／ボルボ・カー・ジャパン

チカラもエコもデザインも！至れり尽くせりな欲張りクロスオーバー／ボルボ V60クロスカントリー D4 試乗レポート

ボルボ V60クロスカントリー(V60 Cross Country D4 SE[FF]) 試乗レポート／今井優杏

急な坂が続く峠道で頼もしい存在の「D4」エンジン

そもそもディーゼルエンジンとしてはものすごく出来の良いD4エンジンである。

ちょっとボディサイズが大きいといっても、V60クロスカントリーくらいは余裕綽々、むしろパワーを底まで使い切ることはまだまだ出来ないくらいだ。

しれっと涼しい顔でボディを引っ張る太いトルクは、かなりの勾配を持つ登り坂でも遺憾なく発揮されるから、坂道の途中で息切れを起こすようなシーンが皆目見当たらない。この辺は低い速度域でもトルクが存分に発揮されるD4の特性が生きる。

アイシン製8速ATとのマッチングも「さすがです師匠！」

たとえば、坂道のコーナリングの最中に再加速をしなければいけなくなるようなシーンに遭遇したときなんか、その恩恵を最大限に感じるだろう。踏んだ直後にモリっと加速が膨らんでゆくんだもの！

さらにそういうシーンで発揮されるアイシン製8速ATの底力がやっぱり凄い。そのインテリジェントな働きたるや、ほれぼれするほどだ。

車速が落ち、アクセルを踏み足して再加速に入るときのシフトダウンの素早さ、その自動選択の正確さはもう、「さすがです師匠！」と弟子入りしたくなるほどの電光石火。タイムラグをほとんど出さず、気持ちよ～くズバリ！とキメてくれるのだ。

SUVならではの柔軟さをそっと支える、ボルボらしい剛健さ

アシのほうはさすがSUVライクなフレキシブル系。それでも少しカタめではあるけれど、車高を上げている分、充分にロールを生かしてコーナリングをさせるような、まったり系に仕上げている。

よって、SUVらしいゆったり味付けされたハンドリングの性格も併せて決してクイックとは言えないのだが、やはりボルボならではの剛性の高さが、ともすればダルになりがちのハンドリングをピリっと引き締める。ボディのヨレや捻じれをまったく出させず、アシの動きを最大限に生かしているのは、ひとえに剛性の賜物だとおもう。SUVでもカッチリした走り感を出してくるのは、さすがボルボといったところ。

[次ページへ続く]

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筆者今井優杏

自動車ジャーナリストとして、新車や乗用車に関する記事を自動車専門誌、WEBメディア、一般ファッション誌などに寄稿しながら、サーキットやイベント会場ではモータースポーツMCとしてマイクを握り、自動車/ モータースポーツの楽しさ・素晴らしさを伝える活動を精力的に行う。近年、大型自動二輪免許を取得後、自動二輪雑誌に寄稿するなど活動の場を自動二輪にも拡げている。AJAJ・日本自動車ジャーナリスト協会会員。記事一覧を見る

監修者樺田卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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