【速攻試乗】ダイハツ 新型軽自動車「CAST」[キャスト アクティバ/キャスト スタイル]試乗レポート/渡辺陽一郎(4/5)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:和田清志
登坂路などの使用が多いユーザーはターボとノーマルモデルの比較試乗をしたい
居住性と内装の確認を終えたところで、次は運転感覚の確認に移ろう。
まずは動力性能だが、ノーマル(ノンターボ)エンジンは、ムーヴなどの背の高い軽自動車の平均水準で、実用回転域の駆動力は少し物足りない。そして4900回転くらいから速度の上昇が活発になる。最高出力は52馬力(6800回転)、最大トルクは6.1kg-m(5200回転)で、少し高回転指向になるからだ。
静粛性などに不満はなく、平坦路では満足できるが、登坂路などでの使用が多いユーザーは動力性能を確認した方が良い。
一方、ターボは当然ながら性能が高い。最高出力は64馬力(6400回転)、最大トルクは9.4kg-m(3200回転)で、過給効果は2500回転付近から感じられる。軽自動車のローギヤードなギヤ比では、走行中は常にターボが作動しているため、運転感覚は排気量を1リッターくらいに拡大した印象だ。
価格は高くなるが、ターボモデルの魅力は大きい
ちなみにJC08モード燃費を2WDで見ると、キャスト アクティバ、スタイルともにノーマルエンジンが30km/L、ターボは27km/Lとなる。
ターボの動力性能(最大トルク)はノーマルエンジンの154%に達するが、JC08モード燃費は90%と悪化率が小さい。なので、積極的にターボを選ぶと良い。
ただしターボは最上級グレードのGターボ ”SA II”のみになり、価格はアクティバ、スタイルともに2WDが151万7400円だ。装備差を補正したターボ単体の換算額も、約9万5000円で若干高い(ムーヴは約6万5000円)。
それでも上質かつ個性的な内外装とターボの組み合わせは魅力だ。
乗り心地と走行安定性の好バランスが印象的 ~キャスト アクティバ~
走行安定性と乗り心地のバランスは、キャスト アクティバとスタイルで違いがあった。
キャスト アクティバはバランスが良い。乗り心地は少し硬めながら気にならず、軽自動車では快適に感じる。足まわりが深く柔軟に動く印象だ。
乗り心地が柔軟な分だけカーブを曲がる時のボディの傾き方は小さくないが、挙動の変化が穏やかだから不安を感じにくい。前後輪の接地性も、全高が1600mmを超える軽自動車では優れた部類に入る。つまり操舵に対する車両の動き、ボディの傾き方、タイヤの接地性、乗り心地のバランスが取れていた。
[では、キャスト スタイルの乗り味は・・・次ページへ続く]
この記事にコメントする