コンチネンタル「スポーツコンタクト6」海外試乗レポート/斉藤聡(2/2)
- 筆者: 斎藤 聡
路面に吸いつくようなグリップ力、引き締まった乗り心地はプレミアムスポーツタイヤに相応しい
スポーツコンタクト6の国際試乗会が、ドイツ・フランクフルトから北に約150kmのところにある自動車の総合運転訓練施設「ビルスターベルグ・ドライブリゾート」で行われた。
試乗プログラムはハンドリングコースが主で、セミウエット~ドライ路面ではメルセデス・ベンツ A45AMG、VW ゴルフR、アウディ RS3に235/35R19の組み合わせで試乗することが出来た。
最も印象深かったのは、ビタッ!と路面に吸い付くようなグリップ性能を発揮していたこと。
縦横方向にストレスがかかった瞬間にギュッとグリップし、ゆるぎないグリップ感を発揮してくれる一方、接地していたトレッド面が路面から離れるときにはすっと離れてくれる。その感触のためなのか、乗り味に鈍重さがなくシャキッとした歯切れの良い印象がある。
また、強烈にグリップしてくれるのだがハンドル操作に対するタイヤの応答が正確で、ゆっくりハンドルを切りだせばゆっくりと、素早く切れば鋭く応答してくれる。鈍さ緩さがなく、それでいながら過敏さもない。
乗り心地はダンピングが効いて引き締まっているが、粗さがなくプレミアムスポーツタイヤに相応しいものであった。
コンチスポーツコンタクト5Pを超えるウエットグリップの高さ
もう一つ驚かされたのが“ウエットグリップ性能の良さ”だ。コンチスポーツコンタクト5Pも抜群といえるウエットグリップを備えていたが、スポーツコンタクト6はそれ以上。
開発の過程で作られた試作タイヤ(パターンはコンチスポーツコンタクト5Pだった)とともに比較試乗することができたのだが、グリップレベルを1段高めながら、応答性、シャープさとコントロール性をバランスさせ、完成タイヤへと進化させていく過程が体験できた。
ちなみに、こちらの試乗車はケイマンで生憎(都合良く?)ハードウエットになってしまったのだが、完成品のスポーツコンタクト6はまったく不安なくウエットサーキットをハイペースで走ることができた。
最新のテクノロジーを取り入れながら、その味付けはいたってアナログ的。
超ハイグリップ性能を備えながら、ドライ路面はもちろんのこと、ウエット路面でもドライバーの安心感と運転のし易さを実に巧みに作り出している。
「これは、魔法のタイヤか?」と言いたくなるほど素晴らしい完成度のプレミアムスポーツタイヤに仕上がってた。
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