ミニ・ジョン・クーパー・ワークス試乗レポート ~スポーツモデル初心者から上級者まで虜にするマルチプレーヤーな走り~/今井優杏(1/4)
- 筆者: 今井 優杏
- カメラマン:阿部昌也
外観にトキメいたわけではない。走りがとても良かったのだ。
ズキュン!と打ち抜かれるクルマというのが、年間いくつか存在する。これだけ試乗に試乗を重ねる人生なので、「だからクルマは面白いんだ!」と直感的に思わせてくれるほど魅力的なコに出会うことは稀だ。
今回の一台は、まさにドンピシャど真ん中にタイプ。キュンときた。しかも、外観にトキメいたわけではない。走りがとても良かったのだ。
いやもちろん外観も可愛い。だけどMINIって実は、個性が立っているクルマなだけに、逆に安直に買いにくいというポジションのクルマなんじゃないか。好きな人はずっと好きなんだろうけど、いざフツーのクルマ好きが一歩MINIの世界に入ろうとすると、目に見えない壁をエイヤと越えなければいけないような気がするのだ。“クルマ好きな人”じゃなく、“MINI好きな人”サイドへと立場が変わっちゃうっていうか。
だけど、このコとならちょっと、一緒にその橋を越えてもいいかもしれない。
ちゃんと普通にツカえるクルマになった
そもそも、2013年の東京モーターショーで日本初公開をされ、翌14年に日本での発売を迎えた新型MINI自体の基礎体力…というよりは商品力が高いことを、先におさらいしておこうと思う。
現在3ドアMINIのバリエーションは、Cooperの3気筒1.5リッターターボ、Cooper Sの4気筒2.0リッターターボ、それから一番最後に追加されたMINI Oneの3気筒1.2リッターターボとなっている。もちろんBMWのテクノロジーがふんだんに投入されたパワートレーンはそれぞれに個性があって面白いのだが、肝心な問題は走りでなく、実はこの新型MINIから『ちゃんと普通にツカえるクルマになった』ということだ。
[次ページへ続く]
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