フォルクスワーゲン ゴルフRヴァリアント 試乗レポート/岡本幸一郎(1/2)

フォルクスワーゲン ゴルフRヴァリアント 試乗レポート/岡本幸一郎
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ゴルフヴァリアント初の「R」

フォルクスワーゲン ゴルフRヴァリアント

スペシャルな速いワゴンが好きな人に、待ってました!なニューモデルの登場だ。待望のフォルクスワーゲン「ゴルフR」のワゴン版『ゴルフRヴァリアント』が、ついに世に現れた。

価格は、通常のゴルフヴァリアントにラインアップされているスポーティモデルのR-Line(価格367万1000円)に対し、約200万円高となる559万円という設定。

通常のスポーティグレードが300万円台半ばの価格に対し200万円高いというとけっこう割高な気もするところだが、以下で述べる内容を知ると納得できるはずであることを、あらかじめ述べておこう。

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そもそもこのクルマが生まれたのは、5ドアハッチバックの「ゴルフR」が存在するからだ。

ホットハッチの生みの親であるVWは、その代表格である「ゴルフGTI」の上に、ホットハッチを極めたゴルフRをラインアップしたのが従来型の途中。そして現行型にも約1年前に設定された。さらにゴルフの場合、もともと「ヴァリアント」と呼ぶワゴンがあり、むろん多くのコンポーネンツはそのまま応用が利く。

かくして開発されたゴルフRヴァリアントは、5月16日(土)に東京お台場で開催された「Volkswagen Fest 2015」の場で日本導入を発表その直後に筆者は走行700㎞未満のおろしたての新車をテストドライブする機会に恵まれた次第である。

全長はハッチバックよりも330mm長い4595mmとなり、2635mmのホイールベースは変わらず、5.2mの最小回転半径も不変。ルーフレールが付いて全高はプラス5mmの1465mmとなり、車両重量は60kg増しの1560kgとなる。

強烈な加速と俊敏で安定したハンドリング

フォルクスワーゲン ゴルフRヴァリアント

ゴルフRヴァリアントの走りのキモとなるのは、280psの最高出力と380Nmの最大トルクを発揮する2リッターTSIエンジンと6速DSG、「4MOTION」と呼ぶフルタイム4WDシステム、そしてアダプティブシャシーコントロール「DCC」と、R専用スポーツサスペンションなど。これだけでも金額に換算すると、かなりの額になると思われる。

ゴルフと共通レイアウトながら、「R」に相応しくコーディネートされたインテリアにつつまれ、専用のバケットシートに収まって、いよいよエンジンスタート。

野太く響くエキゾーストサウンドからして、実用車のゴルフという雰囲気はまったくなく、もっと別のスポーティモデルに乗っているような気分になり、思わず聴き惚れてしまう。

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そしてひとたびアクセルを踏み込むと、“は、はやっ!”

最大トルク発生回転数は1800~5100rpmとワイドで、どの回転域からでも力強くついてくる瞬発力と、レッドゾーンの6500rpmまで一気に吹け上がるパンチの効いた加速フィールには圧倒されずにいられない。

全開でゼロスタートを試すと蹴飛ばされたような鋭い発進加速を見せるのは4WDの強み。

湿式多板クラッチを備えた「DSG」はスムーズで扱いやすく、ダイレクト感のある加速と、電光石火のシフトチェンジを楽しませてくれる。シフトチェンジ時にボッと音がするのもRらしい。

グリップの太いステアリングを切ると、VWらしい正確性に加えて、標準モデルよりもしっかりとした手応えがありながらも俊敏に向きを変えるあたりもRならではである。

フォルクスワーゲン ゴルフRヴァリアント

ハッチバックのゴルフRとの車両重量の差は60kg。その大半がリアセクションの延長分によるものと考えていいが、ドライブすると重量配分が前後均等に近づくせいか、全体的にバランスがよく感じられる。

VWお得意の、旋回時にコーナー内輪のブレーキを制御してアンダーステアの軽減を図る電子制御デフロック「XDS」も、もちろん搭載される。このXDSがハッチバック登場から1年の間に制御が進化したおかげか、あるいは重量配分の適正化によるものか、ハッチバックのゴルフRではアンダーステアがやや強く感じられたところ、ヴァリアントでは心なしかニュートラルステアに感じられた。

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岡本 幸一郎
筆者岡本 幸一郎

ビデオ「ベストモータリング」の制作、雑誌編集者を経てモータージャーナリストに転身。新車誌、チューニングカー誌や各種専門誌にて原稿執筆の他、映像制作や携帯コンテンツなどのプロデュースまで各方面にて活動中。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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