メルセデス・ベンツ F015 Luxury In Motion 海外試乗レポート/清水和夫(1/3)
- 筆者: 清水 和夫
- カメラマン:メルセデス・ベンツ日本
「これぞ、コンセプトカーの王様!」と感心したのがメルセデス・ベンツの自動運転を可能とする未来の自動車「F015 Luxury In Motion」だ。
今年の1月のCESとデトロイトショーで発表されたが、今回はサンフランシスコでワークショップが開催された。
F015は実験車なので、市内から少し離れた飛行場跡地で試乗することになった。といってもハンドルを握らない試乗会は初めてだ。
自動運転が話題となっているので、F015がどのくらい進んだシステムを持っているのか気になるところだが、実際はそこではなく、自動運転車を手段として考えた時に、どんな価値が提供できるのかというコンセプトなのである。
したがって「完全自動運転」という言葉にあまり翻弄されないで、しっかりとメルセデスの考えを取材してきたのでレポートしたい。
未来の高級車として誰が一番なのか
自動運転の開発競争が激化するが、その急先鋒にいるのがメルセデスだろう。VWコンツェルンの名誉を担ってアウディもこの領域では世界で一番を目指している。
だが、メルセデスは高級車のトップランナーとして100年も君臨してきただけに、自動運転の時代でもメルセデスが高級車として認められるためには、どんな価値を提供すべきなのか。そのビジョンがF015に込められている。
だから今回のワークショップでは自動運転が目的ではなく、その先にどんな意味や価値を提供できるかが論点であった。
パワートレーンはバッテリーや水素燃料電池による電気駆動を想定している。試乗できたプロトタイプはバッテリーEVであったが、重要なことは車両パッケージである。バッテリーやモーターの配置の自由度が高いので、前後のオーバーハングが短く、タイヤはボディの四隅に配置されている。
全長5220×全幅2018×全高1524(mm)は立派な体格だ。
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