ホンダ 新型レジェンド 試乗レポート／今井優杏(5/5)

3モーターに拘った理由

繰り返すようだが、もしレジェンドがただもっと燃費だけを追うモデルとなるなら、アコード ハイブリッドの2モーター式システムを採用すればよかっただけの話だ。だけどレジェンドは同社フラッグシップモデルとして、断固この3モーター式にこだわった。曰く、レジェンドは革新技術搭載の最先端フラッグシップであり、ホンダのチャレンジの象徴である、からだそうな。アツいのだ。

だって商品プレゼンテーションに『企業姿勢と生き様を発信』なんてワードが入ってるメーカーなんて、世界広しといえどそうは存在しないと思うもの！生き様て！武士なのか？

ホンダの快進撃はまだまだこれから！

そういう意味で言えば走りと安全、それ以外のところに真新しさはない。なにかあっと言わせるような、たとえばラ○ホテルのように七色に色調を変える室内アンビエントライトが付いたとか、シートが微妙に震えてマッサージチェアのような効果があるとか、そういう最高級セダンとしてのトピックスは皆無だ。

しかしそれがまた、ホンダらしい実直さ不器用さを表現しているようにも感じられる。燦然と君臨する世界の名だたるラグジュアリーブランドに、装備面では現状食い込んでいくのは難しいかもしれない。が、3モーター式ハイブリッドという新たなジョーカーを手に入れたホンダの快進撃ってまだまだこれからなのかも！と、期待値を煽られるクルマであることに間違いはない。もちろん同システムを搭載するともっぱらウワサのあのNSXにも期待が膨らむというものだ。ムフフ。

HONDA LEGEND Hybrid EX

全長x全幅x全高：4995x1890x1480mm／ホイールベース：2850mm／車両重量：1980kg／乗車定員：5名／駆動方式：4WD(SPORT HYBRID SH-AWD)／エンジン種類：水冷V型6気筒横置／総排気量：3471cc／エンジン最高出力：314ps(231kW)/6500rpm／エンジン最大トルク：37.8kg-m(371N･m)/4700rpm／モーター種類：交流同期電動機／モーター最高出力：[前]48ps(35kW)/3000rpm・[後]37ps(27kW)/4000rpm(1基あたり)／モーター最大トルク：[前]15.1kg-m(148N･m)/500-2000rpm・[後]7.4kg-m(73N･m)/0-2000rpm(1基あたり)／トランスミッション：7速オートマチック+パドルシフト／燃料消費率：16.8km/L[JC08モード燃費]／メーカー希望小売価格：6,800,000円[消費税込み]