レクサス RC 試乗レポート／河口まなぶ(2/2)

ラグジュアリーな感覚を持ったレクサスらしい1台

しかし個人的にそれ以上に強く印象に残ったのは、横浜で走らせたRC300hだった。

ハイブリッドモデルゆえに、モーターを使った走り出しはさらに滑らかだし、アクセルを踏み込んだ時の力の出方もガソリン車とは一線を画す滑らかさがある。そうした感覚がこの美しいフォルムを持ったクーペにはとても似合っていると感じた。

最近では輸入車でもハイブリッドは存在するようになったが、このRCのようにラグジュアリーな感覚を持ったハイブリッドは存在しない。そう考えるとこのモデルこそ、レクサスらしい1台といえるのではないか。

動力性能的にもエンジンだけで最高出力178ps／最大トルク22.5kgm、モーターが最高出力143ps／最大トルク30.6kgmを発生するだけに、全く不満のないものになっている。しかしながら燃費は実に23.2km/Lと、こうしたラグジュアリーなクーペとしては他に例を見ない数値を掲げている。こうした部分も、レクサスならではといえるだろう。

横浜では、街中をゆったりと流したのだが、そうしたシーンにもRC300hはピタリとハマっていたといえる。

例えば休みの日などに出かける時に、とても豊かな乗り味・走り味を実現しているにもかかわらず、優れた燃費で環境に負担をかけていない…というのはオーナーとしても誇らしい気持ちになれるだろう。そうした爽やかな感覚が、このクルマにはある。

もちろん細かなことをいえば、例えばステアリングの感触がもう少しクッキリしたものであってほしいし、車両の動きを制御するLDH（レクサス・ダイナミング・ハンドリングシステム）の作動に違和感をやや覚えたりなどがあるが、そうした部分があってもなお魅力的な乗り味・走り味であることには違いない。

それにしても今回、このRCに触れてみてレクサスがひとつの世界観を確立しつつあると改めて感じた。おそらく今回のRCでモノにした“感覚”は他のモデルにも展開されていくだろう。そうなるとますます、レクサスはその立ち位置を明確にしていくと思えた。

LEXUS RC350 “F SPORT”　主要諸元

全長x全幅x全高：4695x1840x1395mm／ホイールベース：2730mm／車両重量：1690kg／乗車定員：4名／駆動方式：後u輪駆動(FR)／エンジン種類：V型6気筒DOHC／総排気量：3456cc／最高出力：318ps(234kW)/6400rpm／最大トルク：38.7kg-m(380N･m)/48000rpm／トランスミッション：8-speed SPDS（電子制御8速トランスミッション）／燃料消費率：9.8km/L[JC08モード燃費]／タイヤサイズ：235/40R19(フロント)265/35R19(リア)／車両本体価格：6,780,000円[消費税込み]

LEXUS RC300h “version L”　主要諸元

全長x全幅x全高：4695x1840x1395mm／ホイールベース：2730mm／車両重量：1690kg／乗車定員：4名／駆動方式：後u輪駆動(FR)／エンジン種類：直列4気筒DOHC／総排気量：2493cc／最高出力：178ps(131kW)/6000rpm／最大トルク：22.5kg-m(221N･m)4200～4800rpm／トランスミッション：電気式無段変速機／燃料消費率：23.2km/L[JC08モード燃費]／タイヤサイズ：235/40R19(フロント)265/35R19(リア)／車両本体価格：6,290,000円[消費税込み]