BMW X4 国内初試乗レポート／九島辰也(3/3)

後席の頭上がちょっとくらい低くても・・・このカッコいいスタイリングで全て許す！

ネガティブ要素がないわけでもない。このスタイリングの功罪はしっかりあった。たとえばドライバーズシートからミラー越しの後方視界。とにかく、リアガラスが小さいため視界が狭い。それこそクーペなどに慣れていればそうでもないが、それ以外と比べると気になるポイントだろう。もちろん慣れれば済む話ではある。さらに標準装備の安全支援システム「ドライビングアシスト」や、「サイドビューカメラ」、俯瞰からの360度映像を表示させる「トップビュー」などで死角をフォローしてくれる点も心強い。

慣れるわけにはいかないのが、リアシートのヘッドクリアランス。成人男性が座れなくはないが、アップライトに座るとかなりの確率で頭がヘッドライナーに触れる。その辺は購入を考える場合、事前チェックが必須だ。

ただ、こうしたネガティブポイントを上回るのがこのスタイリング。いま活性化するプレミアムコンパクトSUVの中にあって、これだけ個性的でかつかっこいいクルマはそうない。それを手に入れられるなら、前述した２つのネガティブポイントは帳消しに値する。

ワインディングでの身のこなしは「さすが！」のひと言

最後に走り。X4 xDrive28iはかなり快適にかつガンガン走った。コーナーではロールは抑えられ、スポーツマインドをくすぐる。ワインディングでの身のこなしは「さすが！」としかいいようがない。

コンフォートからスポーツモードに切り替えると性格はよりイメージ通りになり、背の高いクルマであることを忘れさせる。シフトタイミングが遅れることでエンジンはスムーズに吹け上がり、グイグイ加速する。ステアリングが少々太すぎることが気になったが、そこは最近のトレンドでもある。しっかり握ってクルマをコントロールするのがBMWの乗り方だ。

といったBMW X4。スタイリッシュなフォルムと扱いやすいサイズは好印象。いまこの瞬間、個人的に赤丸急上昇の一台となった。

[レポート：九島辰也／Photo：原田淳]

「BMW X4 xDrive35i M Sport」[4WD]　主要諸元

全長x全幅x全高：4680x1900x1625mm／ホイールベース：2810mm／最低地上高：205mm／乗車定員：5名／駆動方式：xDrive(4輪駆動)／車両重量：1900kg／エンジン種類：直6 DOHC BMWツインパワー・ターボ 直噴ガソリンエンジン／総排気量：2979cc／最高出力：306ps(225kW)/5800rpm／最大トルク：40.8kg-m(400N･m)/1200-5000rpm／トランスミッション：8速スポーツ・オートマチック・トランスミッション(ステップトロニック付)／燃料消費率：12.1km/L[JC08モード燃費]／タイヤサイズ：(フロント)245/45R19(リア)275/40R19／車両本体価格：7,900,000円[消費税込]

※撮影車には「アドバンスド・アクティブ・セーフティ・パッケージ」[185,000円]／「電動ガラス・サンルーフ」[175,000円]／「BMW コネクテッド・ドライブ・プレミアム」[61,000円]／「Mライト・アロイ・ホイール・ダブルスポーク・スタイリング310M」(フロント：8.5Jx20ホイール+245/40R20タイヤ／リア：10Jx20ホイール+275/35R20タイヤ)[145,000円]／「メタリック・ペイント」[87,000円]：合計653,000円のオプションを装着

※画像をクリックすると、新型 BMW「X4」のフォトギャラリーをチェックできます！