【試乗】日本の「iceGUARD 5」と欧州の「ウィンタータイヤ」を比較試乗!in スウェーデン/日下部保雄(1/2)
- 筆者: 日下部 保雄
- カメラマン:横浜ゴム株式会社
雪質の違いにより、地域ごとに開発が必要な冬用タイヤ
今年の日本の冬は大雪に見舞われ、スタッドレスタイヤが大活躍した、という方も多くいらっしゃるだろう。
そんな、誰もが知っている「スタッドレスタイヤ」。だが、実は日本とヨーロッパでは販売されている冬用タイヤの種類が異なっているということはご存じだろうか?
日本の雪は湿気を多く含んで「重たい」のが特徴で、この湿った雪が日中に溶け出して夜になると再凍結する、いわゆる“ブラックアイスバーン”を作り出す。そのような状態の路面は、世界的に見ても過酷な環境である。
対して、ヨーロッパの雪は比較的「軽い」ため、除雪も早く進む。その為、ヨーロッパでは除雪された路面においてハイスピード走行を前提に耐久性、運動性が求められる「ウィンタータイヤ」が販売されている。さらに北欧やロシアでは、日本では1991年に販売禁止となったスタッド(スパイク)タイヤも使用可能だ。
タイヤメーカーの大手である横浜ゴムも、世界の各地域ごとに要求が異なるウィンタータイヤをそれぞれ用意している。
これまでは北海道・旭川にある同社の冬季タイヤテストコース「T*MARY(ティー・マリー)」をメインとしてウィンタータイヤの開発が行われていたが、開発効率のスピードアップを目指すため、スウェーデンに「ヨコハマ・テスト・センター・スウェーデン」(以下、YTCS)を開設することになったのである。
ヨーロッパ向けの冬用タイヤはヨーロッパで、日本向けの冬用タイヤは日本で
このYTCSは横浜ゴムの専用テストコースで、2013年にオープン。YTCSは北極圏に近いスウェーデン北部にあり、広さは40万平方メートルとウィンタータイヤのテストコースとしての規模は大きい。登坂コース、雪上ハンドリングコース、氷上ハンドリング、ブレーキ、トラクションなど9つのコースが設定されており、11月ごろより4月までの凍結期間のみ開設される。
YTCSではヨーロッパ向けのウィンタータイヤと北欧・ロシア向けのスタッドタイヤを開発・テストすることになり、北海道の「T*MARY」では引き続き日本仕様のスタッドレスタイヤを中心に開発が行われることになる。
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