日産 新型 ティアナ[2014年2月デビュー・3代目] 試乗レポート/渡辺陽一郎(2/4)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:和田清志・日産自動車
イマドキの先進安全技術「衝突回避支援」(いわゆる自動ブレーキ)機能は装備されず・・・
一方、新型 ティアナの安全装備は少し寂しい。横滑り防止装置やサイド&カーテンエアバッグは標準装着されるが、衝突回避の支援機能は設定されない。それでもLDW(車線逸脱警報)と、BSW(後側方車両検知警報)は設定される。後者は2車線道路などで並走している車両を検知し、レーンチェンジを開始しようとすれば警報を発する機能だ。これらはメーカーオプションのカーナビ、移動物の検知機能を備えたアラウンドビューモニターとセットオプションになる。リアカメラを使って、車線や並走する車両を検知するからだ。なので専用のセンサーは装着されず、カーナビを含めたセットオプション価格は30万6750円(XEはスピーカーも2つ加わるので31万8150円)になる。
リアカメラにいろいろな役割を持たせることは、価格も含めると効率的だ。ただし、前方の衝突回避の支援機能は不可欠だろう。前方をチェックするミリ波レーダーやカメラが装着されないので、前述のセットオプションにはクルーズコントロールも含まれるが、車間距離を自動調節する機能はない。前方に向けた衝突回避の支援機能は、目下のところ開発途中とのことだ。
フロントシートの座り心地は、Lサイズセダンらしく快適だ。適度な柔軟性があり、ボリューム感も伴う。スパイナルサポートシートが装着され、ドライバーの背中が背もたれにフィットする。肩まわりの支え方も満足できる。
リアシートは、新型になって腰の落ち込み方が少し増した。全高がわずか5mmではあるが先代型よりも低くなり、天井の後方の形状も変わった。頭上の空間を確保することも考えて、着座位置が10mmほど下がっている。座面の柔軟性と相まって、腰が落ち込む印象が強まった。身長が165cm以上の同乗者なら不満はないが、小柄な人が座るなら、リアシートの着座姿勢を確認しておきたい。
座面の長さは十分にあり、前述のように座り心地は適度に柔軟。背もたれの角度も適切だ。そして足元空間はかなり広い。身長170cmの大人4名が乗車して、リア側に座る同乗者の膝先には握りコブシ2つ半の余裕がある。頭上にも握りコブシが半分程度は収まり、セダンのリアシートでは最大級の居住空間を得ている。
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