メルセデス・ベンツ CLクラス 試乗レポート

  • 筆者: 竹岡 圭
  • カメラマン:村西一海
メルセデス・ベンツ CLクラス 試乗レポート
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メルセデス・ベンツ最高のパーソナルクーペ

メルセデス・ベンツ最高のパーソナルクーペ。それがCLだ。メルセデスベンツの核心、安全性、快適性、上質感をすべて惜しみなく盛り込まれている。ベースとなっているのはSクラス。名前だけを聞くとCが付くので勘違いしてしまいそうだが、あのSクラスよりも、あの最高級ロードスターSLよりも、価格的にもまだ高いことを見ても、どれだけ高級なクルマであるのかがわかる。

ちなみにその価格だが、V8 5.5Lエンジンを搭載するCL550で1520万円。V12 5.5Lツインターボチャージャー付きエンジンを搭載するCL600で1970万円。空を仰ぎたくなる数字だが、実はすでにCL550の特別仕様車として用意された100台は完売してしまったとか。憧れるのは誰にでもできるが、実際手に出来る人もいるところにはいるのである。

高級クーペマーケットは年間1200台推移の元々限られた存在ではあるものの、セカンドカーとして待ち望んでいたセレブは結構いる。特にCLはそのカテゴリーの中では、爆発的人気を誇るモデルなのだ。ちなみにターゲット年齢は50歳代(平均54歳)年収3000万円以上の複数台所有の方らしい…。

メルセデスのクーペとしての伝統と躍動感

ボディサイズは先代に比べ全長+75mm、全幅+15mm、全高+20mmとひと回り大きくなった。つまり全高以外はSクラスと同じになった。ちなみにホイールベースも先代より+70mm拡大され、オマケにトランク容量も40mmアップするなど、よりゆとりたっぷりの室内空間と使い勝手のよさの向上が図られている。

デザイン的にはその性格を表すようにどこまでも優雅。メルセデスのクーペとしての伝統を随所に盛り込みながら、躍動感が表現されている。先代同様フロントマスクにはエンブレムがドーンと鎮座するが、新型はスポーティテイストを喚起するようなワイド感と、伸びやかでエレガントなラインが巧みにミックスされていて、スポーツラグジュアリーな雰囲気が見事に具現化している感じだ。

インテリアはパッと見のテイストはSクラスそっくりではあるものの、センタークラスター周りのデザインなどはCL専用設計となっており、よりクーペらしい空間を演出している。ウッド類でやすらぎを、レザー類で深い味わいを表現しつつ、アルミやクローム類を嫌味がない程度に織り交ぜていて、エクステリアのテイストとのコンビネーションもイイ。

ドライバーだけでなくパッセンジャーも満足させるなめらかさ

今回試乗したのはCL550。Sクラスと同じパワートレインとなる。このパワートレイン、パワー的にはもちろん言うことなく、2トンというCLの重たいボディでもまったく重さを感じさせないゆとりがある。それでいて排ガス性能も4つ☆というのが、イマドキらしい設定である。気になる振動やノイズ類も皆無と言っていいほどで、真のラグジュアリーとはこういうことなのかも…と思わせるだけの実力派だ。

足回りは、よりいっそう進化したABC(アクティブボディコントロール)という、電子制御式サスペンションが採用されており、クルマ自体の動きを最適に制御してくれる。もちろんタイヤのグリップの限界を超えては走れないが、限界内ならば不快な動きのないしなやかなコーナリングを魅せてくれるのだ。スーッとなめらかなコーナリングは、自分でハンドルを握っているのはもちろんのこと、パッセンジャーとして乗せられていても終始気持ちイイこと請け合いである。

クーペの枠を超えた常に快適ドライブを約束

メルセデスといえば安全性能への取り組みが積極的なことで有名だが、CLにもSクラスから導入した最上級の安全性性能が当然のように奢られている。さらにナイトビューアシストは標準装備となるなどSクラスを上回っているところもあるほどだ。快適装備もそうで、エアチャンバーによる細かいポジショニングが可能な冷温風ベンチレーター付きシートも標準装備で、季節や時間を問わず常に快適ドライブが約束されている。

また、クーペモデルというと2+2を想像してしまうが、CLは後席も結構ゆったりと作られている。ボディサイズが大きくなったことも関係してるのであろうが、ロングドライブでもツラクないほどの空間が確保されているので、ファーストカーとしても十分対応できるものとなっている。これによってもしかすると、もう少し若年セレブ層へも人気が広がるかもしれない。

2006年のメルセデスは1月にBクラス、3月にRクラス、8月にEクラス&E320CDI、10月にGLクラス、11月にVクラス、SLクラス、CLクラスと大忙しだったが、2007年も新型Cクラスなどのビッグニュースがありそうである。ちなみにCクラスは来春のジュネーブモーターショウで発表、日本への導入は同年中頃になりそうな予定だ。

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竹岡 圭
筆者竹岡 圭

OLを経て、自動車専門誌を皮切りに、モータージャーナリスト活動を開始。国内外のレース、ラリーなど自らモータースポーツ活動に関わりながら、海外のモーターショーを精力的に回るなど、なにごとにも積極的に取り組んできた結果、近年は一般誌、女性誌、Web媒体、新聞、TV、ラジオなど、その活動はとても多彩なジャンルに広がっている。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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