ポルシェ 911ターボ 海外試乗レポート(2/3)

  • 筆者: 河村 康彦
  • カメラマン:ポルシェ・ジャパン
ポルシェ 911ターボ 海外試乗レポート
画像ギャラリーはこちら

“真のフラッグシップ911”の風格をも漂わせる洗練されたデザイン

というわけで、GT3のイベントに遅れる事1ヶ月半ほどで開催となったターボの国際試乗会に選ばれた地は、スペインはアンダルシア地方の中でも最も南に位置をするヘレスからジブラルタルにかけての周辺。ちなみに、“速いポルシェ”のイベントにはイタリアやスペインの地が好んで使われる…というのは過去にも何度か紹介をした事柄。GT3イベントには盛り込まれていたサーキット・セッションが今回は外されたのは、やはりクルマのキャラクターの違いを踏まえてのポルシェの戦略のひとつと言えるだろう。

高性能モデル特有のフロントの開口部の大きさが目立つ、遠目にはGT3のそれとかなり重複をすると思えたターボの顔付き。が、いざ近付いてみるとその表情はGT3よりもアグレッシブな雰囲気が幾分薄められ、「より洗練された真のフラッグシップ911」という印象が漂うものとも感じられた。

フロントエプロン左右両端にブリスター状にビルトインされたフォグライトと共に“ターボの顔”を特徴づけるのは、左右のインテーク内にまるでハンマーシャークのごとくデザインされたLED式ランプの存在。この部分はウインカーとしての機能を備えると同時に、両端の一灯はポジションランプとして点灯。先月お伝えしたアウディS6の“DRL”などと共に、フロントエンドに「見えるカタチ」でビルトインされるこうしたLEDランプの類は、ひょっとするとこれからの流行になるかも知れない。

一方、そんなちょっとおとなしい(?)フロントマスクに比べると、カレラ4譲りのワイドなリアフェンダー部分を中心にボディ・リアセクションの迫力はGT3のそれをも凌ぐ勢いだ。最大の効率でクーリングエアを取り入れる左右ドア後部に口を開いたインテークや、そんな吸気を今度は効率良く吐き出すためのリアタイヤ後方のアウトレット。そして、リアバンパーにビルトインをされたテールパイプなどが「走り去る911ターボ」の姿を強烈に印象づける。

やはりGT3のそれよりもアグレッシブさを抑えたデザインのリアスポイラーは2枚羽根タイプ。上部ウイングは120km/hに達すると35mm伸張し、80km/hまで落ちると再度格納されるという可動機構付き。その全幅は従来型ターボよりも30mmほどワイド化されたというものの、Cd値は0・31と変わらぬ値をマークする。

基本的には既存の911シリーズと変わらぬデザインのインテリアを備えるこのモデル。が、シートはもちろんダッシュボードやドアトリムなどに“全面レザー仕様”を標準とするのは、やはりこのバージョンがシリーズの頂点に立つものである事を明確にアピールしたいという意図もあるからだろう。13個のスピーカーと7チャンネルのデジタルアンプからなるBOSEのサラウンドサウンド・システムの他、ハンズフリー・テレフォンなどともリンクをしたナビゲーション・システムなどもヨーロッパでは標準装備となるが、残念ながら規格仕様の違いなどもあり例によってこちらは日本仕様では省略される見込みだ。

この記事の画像ギャラリーはこちら

  すべての画像を見る >

【PR】MOTAおすすめコンテンツ

河村 康彦
筆者河村 康彦

1960年東京生まれ。工学院大学機械工学科卒。モーターファン(三栄書房)の編集者を経て、1985年よりフリーランスのモータージャーナリストとして活動を開始し、現在に至る。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員、ワールド・カー・オブ・ザ・イヤー選考委員、インターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤー選考委員 などを歴任。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

MOTA編集方針

「車好きのみんなが見ているメルマガ」やSNSもやってます!
カー用品・カスタムパーツ

愛車の売却を、もっと楽に!もっと高く!

  • 一括査定はたくさんの買取店からの電話が面倒?

    これまでの一括査定は、たくさんの買取店からの電話が面倒でした。MOTA車買取なら、最大20社の査定額をwebで簡単比較。やり取りするのは査定額上位の3社だけ。車の査定が楽に完結する仕組みです。

  • 一括査定は本当に高く売れるの?

    これまでは、買取店に会わないと査定額がわからず、比較がしづらい仕組みでした。MOTA車買取は、申込翌日18時に最大20社を簡単比較。加えて、買取店は査定額上位3社に選ばれるために競い合うから、どうしても高く売れてしまいます。

新車・中古車を検討の方へ

人気記事ランキング
最新 週間 月間

新着記事

新着 ニュース 新型車 比較 How To
話題の業界トピックス・注目コンテンツ

おすすめの関連記事

ポルシェ 911の最新自動車ニュース/記事

ポルシェのカタログ情報 ポルシェ 911のカタログ情報 ポルシェの中古車検索 ポルシェ 911の中古車検索 ポルシェの記事一覧 ポルシェ 911の記事一覧 ポルシェのニュース一覧 ポルシェ 911のニュース一覧

この記事にコメントする

コメントを受け付けました

コメントしたことをツイートする

しばらくしたのちに掲載されます。内容によっては掲載されない場合もあります。
もし、投稿したコメントを削除したい場合は、
該当するコメントの右上に通報ボタンがありますので、
通報よりその旨をお伝えください。

閉じる