ダイハツ 新型 タント・タントカスタム 試乗レポート/渡辺陽一郎(4/4)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:オートックワン編集部
ターボエンジン搭載の高性能版「タントカスタム RS "SA"」
次は上級シリーズの「タントカスタム RS "SA"」。エンジンにはターボが備わり、動力性能は幅広い回転域にわたって向上する。最大トルクは9.4kg-m/3200回転で、ノーマルタイプの154%だ。発生回転数も実用域に収まり、軽自動車のギヤ比では、発進直後からターボが効果を発揮する。660ccのターボというよりも、1000ccのノーマルエンジンを積んでいる感覚に近い。
となればアクセルの踏み込み方も抑えられ、ノイズや振動をあまり感じさせずに滑らかな運転が行える。
タントカスタム RS "SA"のタイヤサイズは165/55R15。タント「X "SA"」の14インチに対して15インチになる。試乗車が履いていたのはブリヂストン・エコピアEP150で、指定空気圧は240kPaだから変わりはない。
走行安定性と操舵感は基本的にはX "SA"と同じ方向性だが、路面との接地性が増して、さらに安定させている。乗り心地も同様に硬めだが、RS "SA"では重厚感が増す。ブラック基調の内装も含め、質感を全般的に高めた印象だ。
燃費も優れるターボエンジン車は標準ボディにも欲しい
新型タントはノーマルエンジンのJC08モード燃費が28km/Lに達したが、ターボも26km/Lと優れている。エコカー減税も免税だ。ノーマルエンジンと比べた最大トルクの向上率は前述のように154%だが、燃費性能も93%で悪化率が小さい。ターボの効率もきわめて高いわけだ。
さらにいえば室内も抜群に広いので、ターボであれば、居住性、積載性、さらに運転感覚まで背の高いコンパクトカーと比べて見劣りしない。これこそ本当の「ダウンサイジング」だろう。
であるならば、ライバルのホンダ N BOXやスズキ スペーシアと同様、標準ボディにもターボを設けて欲しい。前述のライバル車は装備の違いを差し引くと、ターボの装着に伴う価格上昇は5~7万円程度。そうなればタントの魅力はさらに高まる。
ダイハツ 新型「タントカスタム RS "SA"」[2WD] 主要諸元
ボディサイズ:3395x1475x1750mm/ホイールベース:2455mm/車両重量:960kg/乗車定員:4名/駆動方式:前輪駆動(FF)/エンジン種類:直3 DOHC 12V インタークーラーターボ ガソリンエンジン/総排気量:658cc/最高出力:64ps(47kW)/6400rpm/最大トルク:9.4kg-m(92N・m)/3200rpm/トランスミッション:自動無段変速機(CVT)/燃料消費率:26.0km/L[JC08モード]/タイヤサイズ:165/55R15 75V/メーカー希望小売価格:163.0万円[消費税込み]
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