安全で快適な「自動運転化」へまた一歩! メルセデス・ベンツの最新ドライバー支援システムを試す/国沢光宏

  • 筆者: 国沢 光宏
  • カメラマン:オートックワン編集部
安全で快適な「自動運転化」へまた一歩! メルセデス・ベンツの最新ドライバー支援システムを試す/国沢光宏
メルセデス・ベンツ 新型 Sクラスの「マジックボディコントロール」に挑む国沢光宏さん メルセデス・ベンツ 新型 Sクラス「S550ロング」 メルセデス・ベンツ 新型 Sクラス「S550ロング」リアビュー メルセデス・ベンツ 新型 Sクラス「S550ロング」 フロントグリルのレーダー部 メルセデス・ベンツ 新型 Sクラス「S550ロング」 マルチパーパスステレオカメラ部 メルセデス・ベンツ 新型 Sクラス「S550ロング」 インテリア メルセデス・ベンツ 新型 Sクラス「S550ロング」 COMANDコントローラー部 メルセデス・ベンツ 新型 Sクラス「S550ロング」 フロントシート メルセデス・ベンツ 新型 Sクラス「S550ロング」 リアシート メルセデス・ベンツ 新型 Sクラス「S550ロング」 後席シートベルトの「アクティブベルトバックル」 メルセデス・ベンツ 新型 Sクラス「マジックボディコントロール」実演 画像ギャラリーはこちら

先進の電子技術といえば、かつては日本のお家芸だったが

メルセデス・ベンツ 新型 Sクラス「S550ロング」「レーダーセーフティパッケージ」装着車にはこのステッカーが装着される

日本人のクルマ好きなら誰もが「電子技術は日本の得意分野であって欲しい」と思っていることだろう。実際長い間、欧州のメーカーは自動運転や自動ブレーキ制御などを否定してきた。

しかし! ここにきて急速に欧州勢が電子制御技術を採用し始めている。加えてシステムも万全だ。

参考までに書いておくと、日本勢は2001年にデビューした「日産 シーマ」に、ミリ波レーダーとCCDカメラを組み合わせ自動ブレーキ&レーンキープアシストを発売している。13年前から基本的な技術が完成していたワケです。スバルの「アイサイト」だって基幹特許を1993年に申請しており、先見の明を持っていた。

その後の日本勢の進化は遅い。というか、メルセデスベンツの新型「Eクラス」に採用してきた『レーダーセーフティパッケージ』で完全に抜かれてしまった。

メルセデスの最新レーダーセーフティ機能に驚く!

「BASプラス」(飛び出し検知機能付ブレーキアシスト・プラス) 実演2

スペックを見て驚く! 前方の安全確保用として長距離と中距離、短距離を担当するミリ波レーダーが3つ! さらにステレオカメラでカバー。ステレオカメラはアイサイトと同じ機能を持っており、自転車や歩行者などをキッチリ見分ける。

後方も車線変更時の接触を防ぐため左右2つのミリ波レーダーを装備した上で、追突事故用後方ロングレンジレーダーまで付く。

「ディストロニック・プラス」(ステアリングアシスト付) 実演2

前方監視に関していえばアイサイトも決して負けていないが、後方は明らかに負け。

機能だって素晴らしい! 高い性能のセンサーをフルに活用。渋滞のノロノロ走行では、かなり長い時間ハンドルを操作しない状態で先行車の追尾も行ってくれる。すなわち行楽渋滞などでクルコンをセットしておくと、アクセルとブレーキとハンドルの制御まで行ってくれるワケ(高速走行は10秒間ステアリングから手を離していると警告が鳴るが、ステアリングに手を添えている限りは機能している)。

「ディストロニック・プラス」(ステアリングアシスト付) 解説ボード「BASプラス」(飛び出し検知機能付ブレーキアシスト・プラス)「アクティブパーキングアシスト」実演1「アクティブパーキングアシスト」実演3「アクティブパーキングアシスト」

目の前の段差を何事もなく「魔法」のように通過する

メルセデス・ベンツ 新型 Sクラス「S550ロング」 マルチパーパスステレオカメラ部マジックボディコントロール 非作動時の様子

また新型「Sクラス」に採用されている『マジックボディコントロール』は、ステレオカメラで前方を常時監視。段差など通過する際、サスペンションの硬さをコントロールするというもの。

試してみたら、10cmくらいの段差を正しく「マジック」のように通過してしまいました。

ベンツのステレオカメラ、どうやらアイサイトと同じ解析制御(スバルでは短冊法と呼ばれる)を行っているようだ。前述の通りアイサイトの基幹特許は1993年3月出願だから、2013年3月に切れた。

ステレオカメラで最も難しいのは解析技術。日本勢がモタモタしているウチ、特許まで無効に。

いずれにしろ、メルセデス・ベンツの新型EクラスとSクラスに採用されている電子技術は世界TOPである。前後左右の安全を常時確認。適切なブレーキ制御や、ドライバーに対するコーション(警告)を発してくれます。日本勢がベンツに追いつき追い越せるのはいつになるか? 現時点では追いつく技術すら発表されていない。

[レポート:国沢光宏]

「マジックボディコントロール」作動時

メルセデス・ベンツ 新型 Sクラス「マジックボディコントロール」実演[作動時]

こちらが世界初採用「マジックボディコントロール」作動時のSクラスだ。脚が路面の凹凸の変化を見事に吸収し、少ない姿勢変化で通過しているのが判る。上の画像同様に時速30km/h程度で台座を通過している。

マジックボディコントロールは、フロントウィンドウ中央部のステレオマルチパーパスカメラが前方15mまでの路面を走査。路面の形状を細かく画像データとして取り込み、コントロールユニットがABC(アクティブ・ボディ・コントロール)と連動し、4輪のダンパーの硬さ・サスペンションの動きを瞬時に制御する。日中で視認性が保たれた状態なら、時速130km/hまで対応可能だという。

メルセデス・ベンツ 新型 Sクラス「マジックボディコントロール」実演[作動時]メルセデス・ベンツ 新型 Sクラス「マジックボディコントロール」実演[作動時]メルセデス・ベンツ 新型 Sクラス「マジックボディコントロール」実演[作動時]メルセデス・ベンツ 新型 Sクラス「マジックボディコントロール」実演[作動時]メルセデス・ベンツ 新型 Sクラス「マジックボディコントロール」実演

「マジックボディコントロール」非使用時

マジックボディコントロール 非作動時の様子

いっぽうこちらは、マジックボディコントロールを使用せずに走行したシーン。木材の台座の上を時速30km/h以下で通過した。

台座に乗り上げた時、そして地面に降りた時のSクラスの姿勢変化に注目。下段の使用時の画像に比べると、エアーサスペンション「AIRマティック」の作用で脚が大きくストロールしているのが判る。

マジックボディコントロール 非作動時の様子マジックボディコントロール 非作動時の様子マジックボディコントロール 非作動時の様子マジックボディコントロール 非作動時の様子メルセデス・ベンツ 新型 Sクラス「マジックボディコントロール」

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国沢 光宏
筆者国沢 光宏

1958年生まれ。ベストカーガイド編集部員を経て自動車評論家に。空気を全く読まず言いたいことを言い、書きたいことを書くので自動車メーカーから嫌われている。現在所有しているクルマは日産 リーフやトヨタ MIRAIなど多数。趣味はラリーに出場すること。人気のない(本人談)Webサイトを運営中。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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