ランドローバー フリーランダー 試乗レポート

  • 筆者: 竹岡 圭
  • カメラマン:原田淳
ランドローバー フリーランダー 試乗レポート
フロントスタイリング リアスタイリング インパネ フロントシート エンジン タイヤ&アルミホイール シフト ラゲッジスペース 試乗 画像ギャラリーはこちら

コンパクトサイズの本格派4×4モデル---新型フリーランダー

フロントスタイリングリアスタイリング

4×4専門メーカー、ランドローバーのいちばん小さなモデル、フリーランダー。この「小さな」というのがミソで、実はコンパクトサイズの本格派4×4モデルは、意外と少ない。少なくともプレミアムと銘打っていいものは、他にはないのである。

ラフロードを主眼に置いた場合、奥深い林道や雪道となると、想像以上に狭い道も多かったりするので、意外と小ささが有利に働く場面が多いのだが、そのぶん実用面ばかりが追求されたものが多く、プレミアム感とはほど遠いのが現状だ。しかし、そこはかのレンジローバーを有するランドローバー。エントリーモデルとも言える位置付けにあるにせよ、そこには専門メーカーが納得して送り出すだけのことはある本格的な運動性能と、プレミアムブランドとしての誇りとも言える品質感が具現化されている。

今回のマイナーチェンジでの主な変更点は、フロント&リアのエクステリアデザインと、インテリア、そして電子4×4テクノロジーの最新化。より、上質感と、走行性能がグレードアップされたというわけだ。

見た目だけではなく、実用面でもグレードアップ

インパネフロントシート

いわゆるランドローバーファミリー顔になったフリーランダー。より、高級感と統一感が醸し出されているが、実はこの変更は見た目だけではない。ツインポケットと呼ばれるクリアレンズが採用されたヘッドライトは、従来型と比較して約70%も光量がUPしているのである。視界が確保しやすいというのは、運転する上でこの上なくありがたいことなので、このデザインと機能の両立はさすがといったところだろう。また、テールランプも高い位置へ移動され、泥などの汚れの付着の軽減と、後続車からの視認性の向上に一役かっている。

インテリアは、エントリーモデルということもあり、カジュアルテイストにまとめられているが、決して安っぽくはなく、むしろ質感は高められているところがランドローバーらしい。上級モデルのHSEには、本革シートとシートヒーターも装備されるなど、寒い冬にありがたみを実感させてくれる装備もついている。

しかし、国産SUVのような、いわゆるおもてなし装備はあまりなく、カップホルダーなどはダッシュボードの上にあったりするなど、使い勝手的にはもうひとつなところもあるが、この雰囲気を壊さない程度に必要なものは揃っているので、不満を感じることはないはずだ。

ドライビングポジション的には、シートリフターは装着されていないが、視界的に困ることはない。ただし、ステアリングの調整はチルトのみでテレスコピックは装備されていないので、ステアリングボスが厚いぶん、特に高速道路などでの走行は、若干シートバックの角度調整が微妙なところもある。

ヒラヒラと元気に走り回ってくれる

エンジンタイヤ&アルミホイール

その外観からは想像もつかないほど、乗り味はカッチリしている。しかし、高速道路などでも突き上げが大きいなどということは決してなく、見事にいなしてくれるなんてところは絶妙なセッティングだ。

小振りなボディはガッチリした剛性感も持っており、足もよく動いてくれるので、ワインディングに持ち込んでも、ヒヤッとするような場面は見当たらない。クルマの性格からして、振り回すような気はあまり起こらないかもしれないが、ヒラヒラと元気に走り回ってくれるのだ。

街中では、発進時のアクセルレスポンスが今ひとつと感じることもあるが、それは早急。その後低回転域からトルクは十分感じられるし、ストップ&ゴーの多い街中や、特にラフロードというステージでは、多少ラフなアクセル操作を行っても、スルスルと発進してくれるという美点に変わり、非常に扱いやすいセッティングだと唸らせられるはずだ。

トランスミッションは、自動的にシフトダウンもしてくれるものだが、場面によってはその際のショックが少々大きめに感じられることもある。しかしそれもストレスは感じない程度に収まっている。

ドライバーを助けてくれる装備は惜しみなく奢られている的

シフトラゲッジスペース

フリーランダーには、ヒルディセントコントロールという急勾配の下り坂で手を貸してくれるデバイスが奢られている。使い方もギアを1速に入れ、シフトレバーの横にあるボタンをポンと押すだけという、非常に簡単なものだ。すると、ドライバーはステアリングにだけ集中し、ペダル操作をまったくしなくても、エンジンパワーの制御とABSを駆使して、クルマはゆっくり下っていってくれる。その際、アクセルやブレーキペダルをちょこっと踏んでしまっても、キャンセルされないので、非常に使いやすいと言えるだろう。

効果のほどは、ガリガリの氷の下り路面でも、驚くほど威力を発揮してくれると言い切っていいほどのもので、特に雪道やラフロードに慣れていないドライバーには、心からありがたい装備と言えるもののひとつだと思う。

また他にも、バックギアに入れた際にワイパー動かすと、自動的にリアワイパーが動いてくれるなど、パッと見だけではわからないおもてなしコマンドが隠されていたりもする。実際使う場面を想定して、ドライバーを助けてくれる装備は惜しみなく奢られているところが、真のプレミアムと言い切れる証なのだろう。

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竹岡 圭
筆者竹岡 圭

OLを経て、自動車専門誌を皮切りに、モータージャーナリスト活動を開始。国内外のレース、ラリーなど自らモータースポーツ活動に関わりながら、海外のモーターショーを精力的に回るなど、なにごとにも積極的に取り組んできた結果、近年は一般誌、女性誌、Web媒体、新聞、TV、ラジオなど、その活動はとても多彩なジャンルに広がっている。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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