メルセデス・ベンツ CLA 海外試乗レポート/小沢コージ(1/2)
- 筆者: 小沢 コージ
- カメラマン:メルセデス・ベンツ日本
コイツはもしや台風の目になる!?
不肖小沢、新型CLAを見て、ホっとしてしまった。というのも今やクルマに関して、世界が共通認識、いや同じ危機感を持っているのがわかってしまったからだ。
最近でこそアベノミクスで上昇気流の日本だが、まだまだライターレベルでは好景気を感じる事は一切ない。
それと、若者のクルマ離れ。ホントは言うほどじゃないってハナシもあるが、いずれにせよ昔みたいなペッタンコなスポーツカーや威張りまくったメルセデスがもてはやされる時代では全くない。要するに、高級車のカジュアル化は世界的に進んでるワケだ。
そこで始まったのが、プレミアムコンパクトの上級化。今年デビューする永遠のスタンダード、VWゴルフ7の凄さはもちろん、ますます上質化するアウディA3、3シリーズすら喰いかねないBMW1シリーズ、さらに伏兵フォード・フォーカスや超スタイリッシュなボルボV40の登場など、今や驚くほどこのCセグメントと呼ばれるジャンルが充実している。で、実はコレ、世界的な傾向なのだ。
そしていよいよ、この群雄割拠のジャンルに去年北米&中国ショーで発表された話題作の、話題作であるメルセデス・ベンツCLAが今春殴り込んできた。
不肖小沢はさっそく雨のフランス・マルセイユで乗って来た。
「不快でないギリギリ」を狙ってきた
CLAはカンタンに言うとベンツが先鞭を付けた高級4ドアクーペ、「CLS」の小型版だ。2005年に登場するなり、BMWやアウディにCLSイーターを作らせた偉大なる張本人だが、果たしてその弟分とも言うべきCLAのベースは、今春日本に上陸した新感覚ハッチバック「Aクラス」だ。この新型FFプラットフォームを使い、全長4630×全幅1777×全高1437mmのボディに仕上げてある。Aクラスと比べると、ざっと全長が34㎝長い以外はほぼ一緒だ。
そして冷静に考えてみると恐ろしいのは、このサイズが現行Cクラスとほぼ同じなこと。全長、全幅はもちろん、全高こそやや低いがほぼ同一。つまり、事実上の同一ブランド内ライバルと言ってもいい。
ただし、商品キャラクターはまるで違う。見れば分かる通り、CLAはスタイリッシュだ。基本、Aクラスと同じアグレッシヴテイストだし、CLSの小型版っぽくもあるが、不肖小沢にはもっと全然“攻めてる”デザインに見えた。
だって実際、カッコいいのだ。本来、こういう縮小版デザインは、兄貴分のCLSより大人しく見えてしまうモノ。だが、CLAに関してはそんなことはなく、凝縮感があるのは当然、絞るところをより絞り、伸ばすところをより伸ばしているような感じだ。
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