ミニ クーパーS クラブマン 海外試乗レポート(2/3)

  • 筆者: 河村 康彦
  • カメラマン:ビー・エム・ダブリュー株式会社
ミニ クーパーS クラブマン 海外試乗レポート
フロントスタイリング リアスタイリング エンブレム リアアンダースポイラー インパネ フロントシート リアシート 最大ラゲッジスペース ラゲッジスペース オーディオ 画像ギャラリーはこちら

奇抜なミニ流ステーション・ワゴンは、パッケージングさえも奇抜である

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2007年秋のフランクフルト・モーターショーで世界初公開され、後の東京モーターショーにも出展されて話題となったそんな2代目ニュー・ミニに追加されたモデルが、『クラブマン』を名乗る新しいボディ・バリエーション。

ホイールベースを80mm、リアのオーバーハングを160mm延長し、すなわちベースとなったハッチバック・モデルに対しては全長を240mm伸ばしたこのモデルは、言うなれば「ミニのステーション・ワゴン」。が、個性的でユニークなデザインこそが最大の売り物であるこのブランドから発信されるものだけにそれは単なるワゴンには留まらない…というハナシは、この先タップリとお伝えして行きたい。

前述のように、この『ミニ・クラブマン』はいわゆるステーション・ワゴン型のニューモデル。しかし、通常であればまずは荷物の積載性などが考慮されるはずの基本パッケージングがこのモデルの場合には全く異なったスタンスで決定されている事が、後席使用時にはわずかに260Lという、ワゴンとしてはあるまじき小ささ(?)のラゲッジスペース容量データからも推測可能だ。

実際、“スプリットドア”と呼ばれる観音開き式のテールゲートを開いてみると、リアのシートバック後方には想像以上にコンパクトな空間が用意をされるのみ。実は、既存のハッチバック・モデルに比べるとこのモデルではリアシートを後方80mmにレイアウト。

すなわち、ホイールベースの延長分全てを後席レッグスペースへと回し、これまでのハッチバック・モデルの不評のひとつでもあり、しかしそれがまた特徴でもあった後席足元空間のタイトさを解消したというのが、ミニ・クラブマンのパッケージング・デザインの大きなポイントでもあるのだ。

こうして、ワゴンでありながらも「荷物のスペースよりも人間のスペース」を優先させたこのモデルの後席居住空間は、確かにこれまでのハッチバック・モデルとは比べ物にならないゆとりの大きさ。足をゆったり組める、という広大さではさすがにないものの、「大人4人が我慢なく長時間を乗れる初のミニ」というのも、このモデルの重要なポイントになる。ちなみに、そんなミニ・クラブマンのリアシートは、セパレート・タイプが標準でベンチ・タイプがオプションという扱い。前者が4人乗りで後者が5人乗りという設定になるが、スペース的にはそこに横3人掛けはやはり少々辛く、“2+2”のレイアウトを持つ仕様が主流となって行くに違いない。

“クラブドア”という名のユニークな配慮

インパネ

このモデルでもうひとつの見逃せないポイントは、そうして居住性がアップをしたリアシートへ出入りするための、ユニークなアクセス・ドアがボディサイドに新設された事。“クラブドア”と名付けられたやはり観音開き式のドアがそれで、これがハッチバック・モデルの場合にはフロントシートのウォークイン機構に頼らざるを得ない後席乗降性を大きく高めてくれる事になるのだ。

ただし何とも残念なのは今後右ハンドル仕様が生産されるようになっても、「クラブドアは右側のみの設定で反対側に設置するつもりはない」という事柄。確かに、「ドライバーが操作する事になるのでむしろ安全性はより高まる」というエンジニア氏のコメントにも一理はあるものの、それでも路肩側に用意をされない不便さは払拭出来ない。それではこの際両側に・・・と誰もが思い付きそうな案に対しては、「それではせっかくの奇抜さが薄れてしまう」というのが今のところの“公式回答”になっている。

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河村 康彦
筆者河村 康彦

1960年東京生まれ。工学院大学機械工学科卒。モーターファン(三栄書房)の編集者を経て、1985年よりフリーランスのモータージャーナリストとして活動を開始し、現在に至る。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員、ワールド・カー・オブ・ザ・イヤー選考委員、インターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤー選考委員 などを歴任。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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