レクサス 新型IS(次期IS/2013年モデル) 試乗レポート/石井昌道 -次期レクサスISは2013年デトロイトで正式発表!-(2/2)
- 筆者: 石井 昌道
限界走行で見えた次期ISのボディへのこだわり
次期ISはボディ造りにこだわりをみせているが、それが限界走行では如実に効果をもたらしていた。
従来のスポット溶接を増やすというだけではなく、25mにおよぶレーザー溶接やウェルボンド接着、ダイクエンチ工法などを積極的に採り入れているのだ。ボディ剛性の向上や軽量化に寄与するのはもちろんのこと、ボディのダンピング特性にも好ましい変化が見られるとのことだが、それは一般公道での走りでより鮮明に確認できた。
現行モデルは大きなバンプがある路面を通過すると、サスペンションの動きが渋いような感触があったが、次期モデルはボディがガッシリしていてサスペンションがスムーズに動く。乗り心地が良く、あらゆる速度域、路面でボディがフラットに保たれるからじつに快適なのだ。
さらに、路面からの入力に尖っているところがなく、潤いのある乗り味となっている。また、高速道路では外乱が多くとも直進性が高く、ステアリングのフィールも従来に比べて進化が見られた。
次期レクサスISで最も期待の「IS300h」
次期ISでもっとも興味深く、可能性を感じるのがじつはハイブリッドのIS300hだ。
GSなどとは違って4気筒エンジンなので、環境性能はクラス随一。欧州モードでのCO2排出量は約100g/km切りを目指しているという。仮に99g/kmなら燃費換算すると23.3km/Lで、トヨタiQの1.0Lモデルと同等なのだからかなりのインパクトがある。
速さも、300hと名乗っている通り3.0L並のパフォーマンスで不満はない。CVTの制御が改善されており、エンジン回転数と車速がリニアに上がっていくようなフィーリングなのでハイブリッドとしてはスポーティに仕上がっていた。
レクサスはドイツのプレミアム・ブランドに対してフォロワー的な立ち位置だが、登場当初から圧倒的な静けさや上質な味わいなどには定評があり、ライバル達を慌てさせるほどだった。その美点は次期ISにもしっかりと受け継がれている。
あとはこのクラスではとくに求められるスポーティさをどれぐらい引き上げられるかというところだが、ボディの進化によってポテンシャルとしては大幅に向上している。
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