BMW 320i 試乗レポート/小沢コージ(2/2)
- 筆者: 小沢 コージ
- カメラマン:オートックワン編集部
イチバン違いが分かるのは100km以上! なので日本人にとってはカンケーない話
それと実は微妙なドライビングフィールの違いがあった。それは乗り心地とステアリングフィールだ。320の方が若干柔らか気味で、ステアリングは軽さがあった。これはまさしくタイヤサイズの違いと、電動パワステの違いで、個人的には328の方が重みがあってよかったが、担当編集Y君などは、逆に320の方が「一体感があっていい」と言う。この辺りはそれくらいの差だ。
だからイチバン違うのは時速100km以上の世界。つまり、日本では“使ってはいけない”速度域ということになる。特に追い越し加速は328の方がいいはずだが、一応使っちゃいけない。しかし今回試乗したところ、320でもそれなりの加速が得られた。回しても十分にキモチいい。もちろん純粋スポーツエンジンには負けるが、逆に328が超カイカンってほどでもない。
とにかく昔の318辺りのノンターボ直4とはワケが違う。気になる人がいたら試乗して欲しい。一発で言ってることがわかるはず。
だからこの328と320の差、要はドイツやヨーロッパ市場向けのハナシなのである。BMWは当然ドイツ車なので、このパワー差が走りに決定的な違いを生むが、日本じゃわからない。が、ドイツはそんなこと知ったことじゃないので、現地の価格差をそのまま日本に導入するのだ。
なんせBMWによると4月に320を発表したにもかかわらず、現時点での累計販売台数は320を2とすると328は1の割合。直近の月販では3対1で320に軍配。まさに納得の結果が出ております。
ちなみに気になるエコカー減税も共に適用で、ギリギリ間に合うかもしれない補助金を入れると、額は328iのAT車が約31万円で、320iのAT車が約28万円。違いはほぼ車両価格による取得税の差で、どっちも同等に出ると考えてよし。
よっぽどお金に余裕がある人は別だけど、普通は320で正解ですなぁ。
この記事にコメントする