レクサス 新型LS 試乗レポート /渡辺敏史(2/2)

  • 筆者: 渡辺 敏史
  • カメラマン:小川義文
レクサス 新型LS 試乗レポート /渡辺敏史
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欧州のライバル勢に“ガチ”で勝負できるレベルに達した!!

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ルーフやドア回り等、一部を除きごっそりとアウターパネルが入れ替えられたエクステリアは、ノーマルグレードのそれに加えて、新たに設定されたスポーティグレード「Fスポーツ」用に専用の意匠を用意。

ヘッドライトは2連キセノンタイプに加えて、3連LEDタイプはガソリンモデルでもオプション選択が可能だ。後者では全ての灯火類がLED化されることに加えて、ハイビーム時にカメラで認識した対向車のみ投光を部分的にカットする世界初のアダプティブハイビームシステムが一部の仕様を除いて搭載される。

インストゥルメントパネル全体をごっそりと新規設定するなど、その進化はインテリア側にも著しい。

パネルタッチ式に代わってリモートタッチ式の採用に伴い、マルチファンクションモニターは12.3インチと大型化され上方へと移動、情報量と視認性の両方を向上させている。

空調は強化されたシートベンチレーターと連動させ指定温度への変更を各席独立で速やかに行う「クライメートコンシェルジュ」に進化。

シートそのものの形状・クッションの見直しやオーディオの再チューニング、トリムにはバンブーや完成までに38日を要する縞杢などを新採用するなど、その変更点はこの字幅ではフォロー出来ないほどだ。

レーザースクリューや接着剤の採用など、新たな生産技術の投入で開口部剛性を強化。併せてサスメンバーブレース強化やトンネルブレースの採用、バックパネル補強と徹底的に手が入れられたモノコックに加え、サスペンション設定や遮音・制振の全面変更も受けたシャシーは、新しいLSに激変ともいえる動的フィーリングの差異をもたらしている。

もっとも印象的なのはフロアパネルに溜まりがちだった低周波振動がほぼ収まったことで、乗り味は全域で非常にスッキリしたものになった。加えてこれも前型までの悪癖だった操舵の応答遅れもほぼ解消。剛性強化によってステアリングの確度やインフォメーションを高めたことにより、特に車重が2tを軽くオーバーする600h系においてはライントレース性を大幅に高めている。

個人的にもっとも感心したのはFスポーツの快適性と運動性の両立ぶりで、大きな体躯をものともしないリニアなコントロール性と共に、高速巡航ではノーマルグレードを上回るフラットライドを披露。

操作実感を損なうことなく、粗い路面をも氷上のように思わせる綺麗ないなし感と静粛性の高さは、欧州のライバル勢に対してもガチで勝負出来るレベルに達したといえるだろう。

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LSの完成度は、これ以上望みうるもないというところまで到達した

LS600h走行イメージ

これらのダイナミックな変貌ぶりに対して、パワートレーンの側に大きな手が加わらなかったことは残念だが、LSの場合、その点に関しては次代を見据えてのドラスティックな変貌が突きつけられることになる。

それすなわち、動力性能と環境性能をどのように折り合いづけるのかということだ。

このセグメントですらCO2排出量130g/kmを唱うようになれば、さすがに現状のLSのエンジンラインナップでは立ちゆかない。その答えを示すためにはアーキテクチャを根本的に変更することになる、つまり次の完全なるフルモデルチェンジまでの間、世界に対峙するための時間を確保するのが今回のLSのマイナーチェンジの大きなミッションだったわけだ。

とはいえ、場つなぎと切り捨てるわけにはいかないほどにモノが熟成を極めたのは事実だ。

たとえばVW ゴルフがMQBモジュールの全面展開を待つかたちでシャシーを継承しながら5から6へと移行した結果、6がとんでもない高みに達しているのと同じように、このLSも完成度としては、これ以上望みうるもないだろうというところにまで到達したと、そんなオーラを匂わせている。

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筆者渡辺 敏史
樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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