スバルWRX STI・グループR4モデル 同乗試乗レポート/マリオ高野(1/2)
- 筆者: マリオ 高野
- カメラマン:オートックワン編集部
そこで誕生したのが、比較的低予算で参戦できるIRC。WRCで走らせるWRカーよりも許される改造の範囲を狭めて各車の性能の差を小さくしたことで、各チームのチューニングやセットアップ能力、戦略などによって僅差のバトルが展開されるようになり、ヨーロッパのラリーファンはこれに大熱狂。
参戦ブランドはプジョー、ルノー、シュコダ、フォード、スバルなど。ラリーのイメージは薄いホンダもシビックタイプR(日本でいうタイプRユーロ)で参戦しているのです。
フランスのスポーツ専門チャンネルであるユーロスポーツが運営しており、ヨーロッパでは一部のイベントはWRCをしのぐ人気を博すまでになりました。2009年にはWRCイベントから外れたモンテカルロラリーがIRCの開幕戦となり、WRCの開幕戦よりはるかに盛り上がったという実績もあります。
スバルは昨年から公式マニュファクチャラーに登録してIRCに参戦。同時にスバルインディヴィジュアルアワードを立ち上げ、IRCを戦うスバルカスタマーをサポートしており、08年以前のように世界の強豪を相手に「戦うクルマ」を作り続けているのです!
今年は「ADVANラリータイヤ」と「スバルWRX STI・R4 」のコラボレート!
IRCに参戦する車両は、FFでも4WD化が許されるなど比較的改造範囲が広い「S2000」、ほとんどノーマルのままである「グループN」、その中間的な位置づけの「R4」と呼ばれる3つのカテゴリーを対象としておりますが、我らが新井選手が参戦するマシンは「R4」クラス。
大幅な軽量化とサスペンションの変更が許されるクラスで、市販のWRX STIスペックCをベースに約53kgも軽量化。リアサスのアーム部分は車高の高さに応じてロールセンターの修正が可能な機構を採用し、ボンネットには静止時のエンジンルーム内の冷却を促すダクトを設けるなど、地味ながらノーマルとは完全に別物と呼べるマシンに仕上がっております。
プロダクションカップでチャンピオンに輝いた2011年に引き続き、新井選手は「ADVANラリータイヤ」と「スバルWRX STI・R4 」のコラボレートにより参戦。 4月18日には新井選手の決意表明的な会見が行われ、マシンのお披露目と共に新井選手の運転による同乗試乗会が開催されたのでありました。
せんえつながらマリオ高野は、氷上や雪上、もしくはサーキットでの新井選手の同乗走行(グループN車両)の経験はありますが、ターマック仕様のマシンで一般道の峠を再現したコース(群馬サイクルスポーツセンター)で新井選手のアタックを体験するのは初めて。というより、世界レベルのラリードライバーによるターマック走行の体験そのものが初めてだったので、嬉々として助手席に乗り込みます。
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