フォルクスワーゲン ゴルフ 7速DSG搭載モデル 海外試乗レポート(2/3)
- 筆者: 河村 康彦
- カメラマン:フォルクスワーゲン グループ ジャパン
見事なまでの自然なアクセル・レスポンス
そして、最新のエンジン+最新のトランスミッションというパワーパックを搭載したゴルフで走り出す。構造上、アイドリング時に発生するクリープ抑制力は通常のトルコンAT車よりも弱いため、この点では少々の違和感を抱く人も居るかもしれない。
けれども、肝心のクラッチワークはなかなか見事で、スタートの瞬間のクラッチミートも“下手なMTドライバー”など及びも付かない滑らかさ。微低速時にアクセルON/OFF操作をした際のギクシャク感はDSGの弱点で、実際、これまでの6速DSG車でもここは少々辛い挙動を示す場合が少なくなかった。だが、現在でも良く出来たトルコンAT車の滑らかさにはまだ適わないものの、今回のゴルフはエンジン出力が小さめという事もあってか、そこでの違和感は無視し得る水準だ。
一方、一定量でアクセルを踏み続けた際のシフトの巧みさは従来の6速DSG同等。すなわち“人間MT”では真似の出来ない素早さと確実さでアップ/ダウンのシフトワークをこなしてくれる。ちなみに、エンジン出力は「特に強力とは言えないものの、ファミリーカーとしては常に十二分」という印象だ。最高では毎分22万回転も回る小型でレスポンスの良いターボと、高圧縮比を実現させる直噴ヘッドの採用で、いわゆる“ターボラグ”を全く意識させない自然なアクセル・レスポンスも特筆ものだ。
ところで、基本的には「変更ナシ」であるはずのフットワークの印象は、既存モデルよりも低速時の乗り味がやや硬めになったように感じられた。チェックをしてみれば、転がり抵抗低減でさらなる燃費の向上を図ったためか、タイヤの指定内圧が低負荷時でも全輪2.8barとかなり高め。それゆえ、前述の印象はあるいは“気のせい”ではないかも知れない。
この記事にコメントする