ジャガー XK コンバーチブル 試乗レポート／川端由美(2/2)
- 筆者： 川端 由美
- カメラマン：茂呂幸正
“大人の乗り方”がふさわしい、現代の駿馬
フロントに積まれる心臓部は、過日のユニットと比較してエンジン回転数の高まりは滑らか。
パワーを望むならば、ジャガー一族最強の510ps/625Nmを誇るスーパーチャージャー付き5リッターV8ユニットを積む「XKR」を選ぶこともできるが、XKコンバーチブルに搭載される385ps/515Nmの自然吸気5リッターV8ユニットでも十分にスポーティだ。
幌を下ろしてオープンエアを楽しむ機会が多いのであれば、なおさらだ。
今回試乗した「ポートフォリオ」は内装の選択肢が幅広い設定になっており、テスト車も美しい仕上げのトリムを奢った仕様だった。コートダジュールあたりの美しい海岸沿いの町に想いを馳せて走りたくなるような豪華な雰囲気だ。
一方で、雨の多い英国の気候を反映して作られた幌は全天候型であり、幌を上げれば、寒い外気を遮断し、雨降る日も快適に運転することができる。
1,430万円という価格からして手に入れられる人は限られるかもしれないが、乗り手がこのクルマを選ぶのではなく、このクルマが操るにふさわしい人物を選ぶような気がする。
このクルマに乗るなら、現代の技術によって躾けられた駿馬の操作はあくまでエレガントに。
目を三角にして峠をトバすのではなく、余裕あるパワーで大人のスポーティネスを味わう。このクルマを手に入れた幸福な人には、そんな風にふさわしい“大人の乗り方”をして欲しい。
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1971年生まれ。大学院 工学専攻 修士課程修了。1995年住友電工にて、カーエレクトロニクスやタイヤの研究にたずさわる。1997年、二玄社『NAVI』編集部に編集記者として転職。2004年からフリーランスの自動車ジャーナリストとなる自動車の新技術と環境問題を中心に取材活動を行なう。エンジニア、女性、自動車ジャーナリストといったハイブリッドな視点でリポートを展開する。国土交通省・独法評価委員会委員、環境省・有識者委員ほか。記事一覧を見る
自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。
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