ルノー 新型 メガーヌ R.S.(ルノースポール)[2014年モデル] 試乗レポート/森口将之(2/3)
- 筆者: 森口 将之
- カメラマン:茂呂幸正
フェイスリフト以外の変更点はわずか
実車を前にしてまず感じたのは、新しい顔が違和感なくフォルムに溶け込んでいること。菱形のエンブレムから左右に伸びる黒いバーはルーテシアに似るものの、ヘッドランプの形状は別物で、メガーヌのスタイリングとバランスが取れている。さすがフランス、違和感はまったくない。
インテリアの造形はマイナーチェンジ前と同じだが、カラーコーディネイトが変わった。従来は黄色だったシートベルト、ステアリングやシフトレバーなどのステッチが赤くなったのだ。インパネにも赤いストライプが入った。
ヴァン・デン・アッカーのデザインは、それ以前のルノーと比べると分かりやすくなったと僕は感じている。テーマカラーをイエローからレッドにスイッチしたメガーヌR.S.のインテリアからも、同じ印象を受けたのだった。
「あえて」の6速マニュアルシフトで存在感を強調
メカニズムの変更点はわずかで、フロントブレーキローターがスリットのないプレーンタイプになったぐらい。なので試乗はメガーヌR.S.の魅力を再確認する感じだったのだが、トランスミッションの2ペダル化や駆動系の電子制御化が進む昨今にあって、このクルマの存在感がより強調された結果になった。
265psの最高出力、36.7kgmの最大トルクを発生するエンジンは、3000rpmあたりで加速が勢いづくという、現在のスポーツユニットとしてはメリハリの効いた特性。それをドライバーが手足を動かして回転数を選び、ダイレクトに力を伝える3ペダルの6速MTで操る。クルマに操られるのではなく、ドライバーが操る。スポーツドライビングの真髄がまだ残されているのだ。
右足を踏み込めばグォーッ、緩めればボボボ……という唸りもまた、最近気になる人工的な演出ではなく、スポーツ選手の雄叫びと同じ、生の息吹であることが分かる。だからよけいに気分が乗るのだ。それでいて新型ではアイドリングストップも効くようになった。環境対策もレベルアップしているというわけだ。
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