ルノー クリオ エステート dCi(ディーゼル・日本未導入モデル) 試乗レポート/森口将之(2/3)
- 筆者: 森口 将之
- カメラマン:森口将之
ルーテシア ハッチバックとの違いは
ボディはルーテシア ハッチバックをベースにリアを約170㎜伸ばしてある。センターピラーまではハッチバックとほぼ共通だが、そこから後ろはかなり違う。キャビン後方を絞り込んだハッチバックのほうが、リアフェンダーの張り出しが強調されてダイナミック。逆にエステートはサイドウインドーをリアウインドーに連続させたりして、スマートなイメージだ。
運転席まわりは左ハンドル、5速MTであることを除けば、ルーテシア ハッチバックと共通だ。後席の作りも同じ。しかし当然ながら荷室は違う。リアゲートはかなり低い位置から開くし、フロアとの間に敷居がないので、宿泊や撮影の荷物をスムーズに出し入れできた。容積は後席を立てた状態でも443リットルと、143リットルも拡大していて、486リットルの「メガーヌ エステート」に迫る勢い。ひとり乗りではガラ空きすぎて申し訳ないほどだった。
ルノーのディーゼルエンジン、実は既に日本へ入っていた!?
エンジンは最高出力90ps/4000rpm、最大トルク22.4㎏m/1750rpmを発生する。105ps/4000rpm、22.4㎏m/1400〜3200rpmのデミオ ディーゼル(MT)と比べると、出力は控えめ、トルクの発生回転数は高めだ。車両重量はオプション装備を含まない状態で1121㎏だから、デミオと比べると分が悪そう。
ところが実際の走りはまったく不満がなかった。さすがガソリン自然吸気で2.2リッター級のトルクを、2000rpm以下で発生するだけある。それ以上に感じたのは、デミオのクリーンディーゼルとのキャラクターの違いだった。
ルノーのディーゼルと効いてもピンとこない人がいるかもしれないが、一部の日本人はすでに体験している。旧型ボディのまま販売が続けられている「日産 エクストレイル」の2リッタークリーンディーゼルが、ルノーの設計なのだ。クリオとデミオの違いはつまり、エクストレイルと「マツダ CX-5」の差に近いものがあった。ガソリンのようなブランドごとの個性はディーゼルにも存在するというわけ。
[気になる乗り味は・・・次ページへ続く]
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