ルノー ルーテシア GT 試乗レポート/森口将之(1/2)
- 筆者: 森口 将之
- カメラマン:茂呂幸正
ルノースポール(R.S.)とGT、その位置付けの違いとは
古今東西さまざまなクルマが使うGT=グランドツーリングの称号。でもルノーの場合は、他のブランドとはちょっと内容が異なる。
「ルノー メガーヌ」のラインナップを見れば分かるように、最高性能版として君臨しているのは「R.S.」(ルノー・スポール)で、「GT」は2番目。そしてもうひとつ下の「GTライン」を含めて、ルノー・スポール・テクノロジーズ(RST)という組織が開発を担当している。
RSTは市販スポーツモデルを生み出すだけでなく、フォーミュラ・ルノーなどレースやラリーの専用車両も作っており、ルーテシアを含めたワンメイクレースの運営、これらのレースを主役に据えた「ワールド・シリーズbyルノー(WSR)」というイベントの企画と開催も引き受ける。ルノーのスポーツ部門を一手に引き受ける集団なのだ。
ルノーのR.S./GT/GTラインという3車種は、こうした経験をベースに生まれている。他のホットハッチと内容が違うと書いたのはそのためだ。
絶妙な立ち位置に落ち着いた「ルーテシア GT」
今回上陸した「ルーテシア GT」も、位置付けはメガーヌGT220と似ている。
パワートレインはスタンダードのルーテシアと同じで、1.2リッター 直列4気筒 直噴ターボに6速デュアルクラッチ・トランスミッションを組み合わせた右ハンドルとなるが、シャシーのセッティングはスタンダードとR.S.の中間に収まるような内容だ。
ルーテシア R.S.でおなじみのF-1ウイング風ブレードは装備されないが、R.S.に似た横一線のLEDランプは備えるという顔つきも、GTの位置づけを証明する。ボディ同色のサイドシルのモール、リアスポイラーはR.S.と共通。ただしアルミホイールは専用デザインで、径はスタンダード系最上級のインテンスおよびR.S.のシャシースポールと同じ17インチとなる。
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