ポルシェ ケイマンR 試乗レポート/河村康彦(3/3)
- 筆者: 河村 康彦
- カメラマン:ポルシェ ジャパン
ケイマンRの出来の良さは911カレラへの“領域侵犯”!?
そんなケイマンRの走りのハイライトは、そのフットワークの仕上がりだ。特に、Sグレードよりも22mm重心高がダウンされたケイマンRのハンドリング感覚は、サーキット走行では自由自在で痛快そのもの。
駆動方向で22%、減速方向で27%のロック率を持つというLSDの効果もあり、そもそも高度だったトラクションの能力はもはや鉄壁のレベルにある。スタビリティ・コントロールシステムPSMは、レーシング・スピードでも殆ど介入をしない。それほどに、ケイマンRの走りは終始安定しているという証だ。
そうした上で、実はサスペンションの動きは意外なほどにしなやかで、快適性も予想と覚悟をしていたより遥かに高いレベルにある、そんなこのモデルで唯一気になったのは、ここまで素晴らしくスポーティな走りを実現させたこのモデルが「911カレラへの”領域侵犯”をしないのか」という事柄。
いや、もちろんそうした問題もポルシェ首脳陣の中では当然“織り込み済み”ではあるはず。間もなくと噂される次期911シリーズが、さらに“一歩先”の舞台へと飛躍をすると考えてこそ、ポルシェは今のタイミングでケイマンRをリリースしたという事なのだろう。
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