ポルシェ カイエン 試乗レポート/金子浩久(2/3)
- 筆者: 金子 浩久
- カメラマン:ポルシェジャパン
新たに8速化された「ティプトロニックS」オートマチックトランスミッションも、新型の大きな進化点のひとつだ。レーシングモデル以外のすべてのポルシェがツインクラッチ式の「PDK」トランスミッションを備えるようになったが、カイエンはそれに準じることはなかった。
オーソドックスなトルクコンバータ式の「ティプトロニックS」を進化させてきた。
ほぼ完成の域に達していたはずのティプトロニックSだが、さらに磨きが掛かっているのには驚かされた。変速ショックは皆無な上に、素早い。その上、スロットルペダルを強く、深く踏み込むと、8速から5速へ瞬時にキックダウンするような芸当も見せる。さらに「スポーツ」モードでは、一気に4速や3速へも落ちる。
キックダウンが終了してスロットルペダルを戻すと、その戻し具合に応じて、6速や7速を維持することもあれば、再び8速に戻ることもある。そのサジ加減が絶妙だ。
優れたレーシングドライバーが自分に代わってシフトしてくれているかのような錯覚をもたらすほど賢い。
隣接する工場で、カイエンとパナメーラが組み立てられているポルシェセンターに到着し、プレスカンファレンスで新型について詳細なプレゼンテーションを受ける。
向上した快適性や走行性能などは、どうやら大幅な軽量化にその理由があったようだ。カイエンSでは、軽量素材の積極的な採用や各部の構造の見直しなどによって180キロも軽くなった。
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