ポルシェ パナメーラ ターボS 海外試乗レポート/河村康彦(1/3)
- 筆者: 河村 康彦
- カメラマン:ポルシェ ジャパン
パナメーラの鮮度は衰え知らず
意外に思われるかも知れないが、創業以来の“ポルシェの夢”は、実は「4人がゆったり乗れるスポーツカー」であったと言う。
実際、2009年に新装したポルシェ博物館を訪れると、ホイールベースを延長したり、ルーフラインをより水平に後方へと延長したりして、そうした“夢”の実現へと取り組んだ、まだナローボディ時代の空冷式911のプロトタイプの姿を目にする事が出来る。
もっとも、結局それらのモデルは「見た目が不細工に過ぎる」という至極真っ当な理由?から、お蔵入りの憂き目を見る事に。しかし、こうした話題はこのブランドが設立された当初から、「スポーツカーだけでの商売には限界がある」という状況を強く意識していた事を示す、大変に興味深いエピソードと言って良い。
そして、再度そうした夢の実現へと挑んだパナメーラがリリースをされてから早2年。世界各地の市場で好調な販売が記録され、初代モデルにしながら早くもその地位を確立させつつあるという中で、「まだまだニューモデルとしての鮮度を失うものか!」とばかりここに来て投入されたのが、シリーズ最高峰のパフォーマンスを誇るこの『ターボS』だ。
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