ポルシェ 新型 911カレラ/カレラSにダウンサイジングターボ! あの刺激的な吹け上がりはどう変化した!?[海外試乗レポ](3/3)
- 筆者: 金子 浩久
- カメラマン:ポルシェジャパン
7速MTと2ペダル7速PDK、選ぶべきはどちら?
エンジン自体から受ける感触に加えて、組み合わされているオートマチックトランスミッション「PDK」の貢献も大きいと感じた。
ツインクラッチタイプの2ペダル式ATだが、ノーマルモードとスポーツモード、スポーツプラスモードの3種類を切り替えることによって、パワーとトルクの引き出し方を臨機応変に変化させていくのはPDKならではだ。
これまでも、その賢くダイレクトな変速ぶりは同種のトランスミッションの中にあって傑出するものがあった。今回のモデルチェンジに際してPDKにも改良が加えられたが、その効能は小さくない。
カレラとカレラSには7速マニュアルトランスミッションも用意されていて、その3ペダルの操縦感覚は魅力的だが、個人的にはPDKを選びたい。賢く、素早い変速は優秀なレーシングドライバーでもかなわないし、特にスポーツモードとスポーツプラスモードでの減速が素晴らしいからだ。
ついにポルシェもテレマティクスサービスをスタート
また、エンジンの改変以上に大きな意味を持つと思えたのが、オンラインナビゲーションモジュールとボイスコントロールを備えたPCM(ポルシェ・コミュニケーション・マネージメントシステム)の標準装備だ。7インチスクリーン上でのマルチタッチとジェスチャーによるコントロールが可能で、手書き入力もできる。スマートフォンをWiFiで接続することも可能だ。
インターネットへ常時接続することで、リアルタイムの交通情報によるナビゲーションや世界中の放送局の雑音のない聴取が可能になった。日本仕様の古くて使いにくかったカーナビからは異次元の大進歩だから、特に僕ら日本のユーザーには朗報だ。
他にGoogle EarthやStreetViewも使える。iPhoneを接続すればCarPlayも可能。専用アプリもできた。
PCMの採用はクルマというものが情報端末化しつつあることをポルシェも体現し始めた何よりの証左だ。
「Porsche 911 Carrera S」[RR] 主要諸元
全長x全幅x全高:4499x1808x1302mm/ホイールベース:2450mm/車両重量:1440kg/エンジン種類:ツインターボチャージャー付 水平対向6気筒 DOHC 24V DFI 直噴 ガソリンエンジン/総排気量:2981cc/最高出力:420ps(309kW)/6500rpm/最大トルク:500N・m/1700-5000rpm/リッターあたりの出力:140.9ps(103.7kW)/L/最高速度:308km/h(PDK仕様:306km/h)/0-100km/h加速:4.3秒(PDK仕様:4.1秒/PDK仕様/スポーツ・プラスモード:3.9秒)/0-200km/h加速:13.7秒(PDK仕様:13.2秒/PDK仕様/スポーツ・プラスモード:12.9秒)/0-400m加速:12.5秒(PDK仕様:12.3秒/PDK仕様/スポーツ・プラスモード:12.0秒)/トランスミッション:7速マニュアルトランスミッション(7速PDK:ポルシェ・ドッペルクップルング:デュアルクラッチトランスミッション)/サスペンション:(前)マクファーソンストラット式(後)マルチリンク式/タイヤサイズ:(前)245/35ZR20(後)305/30ZR20/メーカー希望小売価格:15,191,000円(7速PDK:15,841,000円)[消費税込]
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