ポルシェ 911 海外試乗レポート(4/4)
- 筆者: 河村 康彦
- カメラマン:ポルシェ・ジャパン株式会社
いつの時代も“最新のポルシェが最良のポルシェ”である
こうして、「予想以上の進化ぶり」を実感させてくれたのが今回のマイナーチェンジ。そしてそれは、「次期“998型”のパワーユニットを先取り」と言ってもおかしくない、価値ある内容である事にも驚かされた。常に進化の手を緩めない911というモデルは、こうしてその“祖先”である356の生誕からちょうど60年目にして、再び大きな飛躍を遂げたのだ。
今回のマイナーチェンジは後輪駆動のカレラ系に限られたが、同様リファインがカレラ4/タルガ4という4輪駆動系モデルについても近々加えられる事はすでに発表済み。一方、今回搭載のPDKの許容トルクが「440Nmまで」というところから勘案すると、少なくともこのPDKはターボ系モデルについては搭載が出来ないという事も明らかだ。
とはいえ、それではターボ付きのエンジンを搭載した911の進化がこのまま止まってしまうのかといえば、そんな事はあろうはずもない。「スポーツカーとは、手を掛ける事を止めた途端に魅力を失ってしまう存在」と誰よりも知っているポルシェ社だけに、こちらにはまた我々が驚く何らかの方法で、必ずリファインを加えてくるに違いない。
“最新のポルシェが最良のポルシェ”――かのフェリー・ポルシェが発したこのフレーズは、こうしていつの時代にも受け継がれて行くのである。
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