ポルシェ 911 カレラ4/4S 海外試乗レポート(2/4)
- 筆者: 河村 康彦
- カメラマン:ポルシェ・ジャパン
注目は“PTM”のトルク配分技術
345/385psを放つ3.6/3.8リッターの完全新開発の水平対向6気筒直噴エンジンに、従来からの6速MTもしくは7速DCT(デュアル・クラッチ・トランスミッション)である“PDK”の組み合わせ・・・というパワーパックの新展開は、もちろん後輪駆動モデルの場合と同様。そして、そんなエンジン出力を状況に応じて4輪へと分散させ、後輪駆動モデル以上のトラクション能力と、911が宿命的に抱えるリアヘビーによるハンディキャップを完全に克服する安定した走行性能を狙うのが、こちらカレラ4シリーズの狙いどころだ。
そんな今度のカレラ4シリーズでは、実は後輪駆動モデル以上にマイナーチェンジによるエンジニアリングの進化幅が大きい。
エンジントルクを前輪へと断続させるクラッチ機構に、従来のビスカスカップリングに代えて電子制御式多板クラッチが新採用をされたためだ。
走行/運転状況を感知し、前輪側へのトルク配分量をコントロールする“PTM”(ポルシェ・トラクション・マネージメント)と呼ばれるこの機構は、受動的にトルク配分を行うビスカス方式よりも遥かにレスポンス良く動作を行うのが最大の特徴。
もちろん、クラッチが完全に締結されればエンジントルクは前後に50%ずつ配分される“直結4WD状態”となり、そこでのトラクション配分は4輪の接地状況に応じて前後で0:100から100:0までの連続可変となる理屈だ。
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