プジョー 5008 試乗レポート/飯田裕子(2/3)
- 筆者: 飯田 裕子
- カメラマン:オートックワン編集部
2列目シートは3座独立タイプ
頭上にまで伸びるフロントウインドウのガラスエリアは、今ではすっかりプジョーらしさを象徴する前方+前上方視界。パノラミックガラスルーフをオプションで選べば、そのままセカンドシートへと開放感は続く。
ボディサイズの全長4530㎜×全幅1840㎜×全高1645㎜は、国産の5ナンバーサイズミニバンに比べ全長は短く車幅はやや広い。致命的ではないが、街中で運転する第一印象は、少しだけフロント周辺の車輌感覚に慎重になりたいと思うかもしれない。
が、その分は居住スペースに活かされている。そう思うと、まあ慣れれば大丈夫かなと思えるレベルなのだ。
特に2列目シートはフロントシートよりも着座位置が高く、130㎜の前後スライド機能と、2パターンのリクライニング機能が採用されている。日本車に比べればアレンジ幅は少ないが、これだけでもかなりの実用性を感じることができる。
さらに2列目シートはベンチタイプではなく、3つの独立したシートを持つ。1座あたりのシート幅はそれぞれ44㎝と広い。例えば中央の人でも、等しく安全かつ快適なスペースが確保される。VW ゴルフ トゥーランでは各シートのサイドが持ちあがり、後席でもサイドサポート性が高いのだが、そのシートを並列に並べても表面が凸凹で、国産ミニバンのようなベンチシート風にもなりきれない。しかもトゥーランの場合中央席の幅も左右に比べ狭い。
一方5008は、トゥーランに比べシート幅自体も広くフラットに近い。腰周りのサポートはトゥーランに劣るが、並列に並べた際にベンチシート風になり、お子さんを寝かせておむつ交換をしたりする際も色々使いやすいだろう。
基本は5名乗車+広大な荷室、の使い方がマッチする
ちなみに2列目シートのお尻のおさまりだが、リクライニング機能を使った際にシート角と同時に座面高もわずかだが変わる。背もたれ角がやや寝るモードのほうが座面も低くなり、お尻の収まりもよいみたいだ。
3列目は、サイズ的にやはりエマージェンシー的な体を成している。が、2列目のシートスライドを活用し中央位置くらいに移動すれば、身長160cmの私ならば休憩を挟みながらなら長距離も行けると思った。
が、その状態での荷室はネコの額程度になってしまう。基本は5人が快適に乗車し、さらに荷物も十分に搭載できるラゲッジスペースを確保する使い方になるだろう。その場合、2列目シート後ろに荷物を隠すトノカバー(パーセルシェルフ)も取り付けることができる。
3列目シートを格納するとできるフラットなスペースの容量は、パーセルシェルフまでで823リッター、ルーフまで積み込むと1247リッター、2列目シートも畳むと2506リッターになる。
ちなみにフロントの助手席を畳んだ場合の収納長は、最大で2760mm。2列目のシートがそれぞれに独立していることで、アレンジの幅がさらに広がる。
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