日産 エクストレイル 20GT 6速AT 試乗レポート(3/3)
- 筆者:
- カメラマン:柳田由人
20GTのメリットは圧倒的な動力性能と環境性能
価格は20Xの4WDに対して約69万円高い313万9,500円だ。
減税はクリーンディーゼルの20GTなら100%だが、20Xも75%は減額される。そして実用燃費が10・15モード値の75%とすれば、1年間/1万kmの燃料代は、20Xが「13.6万円」で20GTが「10.7万円」。従って燃料代の差額で実質的な価格差を埋めるには19年を要する。
こうなると20GTのメリットは、実用回転域における圧倒的な動力性能と、二酸化炭素の排出量を約10%減らせる環境性能だ。
長距離移動の機会が多く、ディーゼルの運転感覚を好むユーザーに推奨したい。
開発者に販売状況を尋ねると「エクストレイルの約20%が20GT」と言う。発売直後ながら、価格差まで考慮すれば販売比率は高い。ディーゼルの運転感覚と環境性能に、多くのユーザーが魅せられた。
一時期、ディーゼルエンジンは厳しく批判され、東京都は「ディーゼル車NO作戦」まで展開した。しかし今やエクストレイルの人気グレードだ。技術を否定するのは誤りで、改善を加えてこそ、ユーザーや社会にメリットがもたらされる。
エクストレイル20GTは、技術進歩のあり方も示唆している。
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