日産の人気SUV、新型エクストレイルハイブリッドが2017年6月にビッグマイナーチェンジか|最新情報
- 筆者: オートックワン 編集部
現行型で3代目となる日産の人気SUV エクストレイル(X-TRAIL)。実は2016年末、既に北米でエクストレイル兄弟モデルの「ローグ」が先行してビッグマイナーチェンジを実施済みで、日本版エクストレイル/エクストレイルハイブリッドのマイナーチェンジモデル登場も時間の問題となっている。気になる内装・外装のデザイン変更やエンジンの仕様、燃費、話題の先進安全装備から日本発売時期まで、いよいよ国内導入が目前に迫った新型の詳細について、徹底解説する。
ロングセラーモデルの人気SUV、日産エクストレイルとは
日産 エクストレイルは、日本のみならず欧州市場など世界で支持を集める人気のクロスオーバーSUVモデルだ。燃費やオンロードでの走行性能に優れるFF乗用車のパワートレインやプラットフォームを基にしながらも、オフロードでの走破性にこだわった本格的な四輪駆動システムの搭載や、タフな内装・外装デザインの採用などで、長く支持を根強く集めているロングセラーモデルだ。
初代は2000年にデビュー。スマートで乗用車ライクなデザインのSUVが流行り出すなか、あえて王道の四輪駆動車らしい四角くゴツいデザインを採用。TVCMなどのプロモーションも”タフなギア(道具)”であることを強調したハードな内容で徹底し、アウトドアに向く活動的な印象を与えた。2007年に登場した2代目も初代のコンセプトを受け継ぎ正常進化。2001年から2010年までは国内クロスオーバーSUVカテゴリーで10年連続NO.1の販売台数を誇るなど、着実に支持を集め続けた。
そして2013年12月にフルモデルチェンジを遂げ、3代目となる現行型エクストレイルは、2世代続いたスクエアなデザインから脱却。都会的な雰囲気を得て質感を向上させるとともに、ルノーと日産の共同開発による新プラットフォーム「コモン・モジュール・ファミリー」(CMF)を初採用し、走行性能などを大幅に進化させた。また初の3列シート7人乗り仕様も追加し、ファミリー層などの多人数乗車ニーズにも応えている。
いっぽうでVモーショングリルと呼ばれる力強いフロントマスクや、伝統の防水シート・防水フロアを継続採用するなど、初代から受け継がれる”タフ”な雰囲気も同時に継承。歴代X-トレイルを愛用してきたアウトドアレジャーやウィンタースポーツなどを楽しむ活動的なユーザーたちからも引き続き支持を集めている。
さらに2015年には初のハイブリッドモデルも追加したことで、より幅広い層からも注目を集め、3代目モデルの人気にますます加速をつけることに成功した。
デビュー3年目となる2016年度(2016年4月~2017年3月)においても、国内だけで52,948台(月平均4412台)を販売。エクストレイルは日産においてノート、セレナに次ぐ第3位の売れ行きを継続している(軽自動車を除く・自販連調べ)。
日産 エクストレイル 2017年最新モデルの変更点 外装デザイン編
新型エクストレイル 2017年モデルの変更点について、まずは外装デザインから見ていこう。
真っ先に目につくのはフロントマスクの変更だ。2013年デビューの3代目の特長でもあるVモーショングリルが、より迫力を増しているのがわかる。さらにV型のメッキグリルの周りも黒く加飾されたほか、メッキパーツの面積も大幅に増え、バンパーの形状もエッジが増した。リア周りについても、LEDのコンビランプがV型のブーメラン形状となっている。
細かいところでは、ルーフアンテナがこっそり(?)シャークフィン形状を搭載している点にも注目したい。機能上は現行モデルの棒状アンテナでも何も問題ないのだが、見た目にグンと恰好良くなる。オーナーにとっては地味に嬉しいポイントだろう。同様にLEDのターンランプがビルドインされるドアミラーも形状がリファインされているようだ。また新形状の19インチホイールも、足元から2017年モデルのスタイリッシュさを高めるのに効果を上げている。
さらに2017年モデルの北米仕様では、モーションアクティブリフトゲートが新たに搭載採用されている。これは日本仕様の次期エクストレイルにも採用されるはずだ。
動画でおわかりの通り、インテリジェントキーをポケットなどに入れておけば、トランクの足元に足を出し入れするだけで自動的にテールゲートが開閉するというもの。これは日産 新型セレナで、後席のスライドドアが足先の出し入れで自動開閉する「ハンズフリーオートスライドドア」の仕組みに近い。
と、このように次期エクストレイル 2017年モデルは、各部に渡り手が加わったことで、全体にプレミアム度を増した印象だ。そのディテールについては、画像も併せてじっくり見比べてみて欲しい。
日本国内でのライバル、マツダ CX-5やトヨタ ハリアーもフルモデルチェンジで軒並み質感をグンと向上させてユーザーからの支持を集めているが、これら競合モデルにも負けない迫力と、価格に見合った上質さを得ているとみてよいだろう。
新型ボディサイズ(全長x全幅x全高):4683x1839x1730mm(2WDハイブリッド)/4686x1839x1737mm(4WDハイブリッド)/ホイールベース:2705mm(共通)
参考:旧型ボディサイズ(全長x全幅x全高): 4640x1820x1715mm/ホイールベース:2705mm (2WD・4WD共通/日本仕様)
新型車両重量:1553~1675kg(2WD)/1612~1730kg(4WD)
旧型車両重量: 1440~1580kg(FF)/1500~1640kg(4WD)
※新型スペックは北米仕様2017年モデルのインチ表記を換算(1インチ=2.54cm/1ポンド=453.592kg)
日産 エクストレイル 2017年最新モデルの変更点 内装デザイン編
続いてインテリアを見ていこう。
内装についてはまず注意が必要だ。基本的に、防水仕様の黒系カラーで統一される日本仕様のエクストレイル(モード・プレミアを除く)とは異なり、北米向け、あるいは欧州向けには、2013年の登場時点でベージュ系の明るい内装色の設定が既にあった。こちらは継続して採用されているようだ。
ただし画像ではさらに、本革と思われるオレンジとブラックの2トーンカラーで構成された、より上質な仕様の内装も写っている。繊細なステッチの仕上げも魅力的で、その加飾はインパネ周りにまで及んでいる。
特に日本仕様においては、歴代で継承されるタフさを強調するあまり、質感という点ではライバルに対しやや劣って見えたインテリアだったが、新型エクストレイルにおいては大きく改善されるのかもしれない。
そしてもうひとつ、大きな改良点がステアリングホイール(ハンドル)だ。2016年夏にデビューした新型日産セレナと同じ意匠(デザイン)の楕円形状、いわゆるD型ステアリングへと進化している点にも注目したい。そう、そこでピンと来る方もいらっしゃるかもしれない。ただステアリングが同じ形をしているだけではなく、スイッチ類もセレナに似ているなあ、ということに・・・。
新型エクストレイルには、セレナに続いて自動運転技術「プロパイロット」が採用される!?
日産は2016年夏に発売を開始した新型セレナに、同社の市販モデル初の自動運転技術(正確には“高速道路 同一車線自動運転技術”)である“プロパイロット”を採用した。自動ブレーキ(エマージェンシーブレーキ)などに用いられるフロントの小型カメラ画像データをもとに、先行車に追従するアダプティブ・クルーズ・コントロール(日産では「インテリジェントクルーズコントロール」と表記)の機能と、車線をキープするレーンキープアシスト(車線逸脱防止支援システム、日産ではLDP:レーンディパーチャープリベンションと表記)を組み合わせたものだ。
そのセレナと同じステアリングホイール、そしてほぼ同じスイッチ形状が採用されていることから、新型エクストレイルのプロパイロット搭載採用は大いに期待が持てる。実際、2017年型の北米仕様ではそのインテリジェントクルーズコントロールが採用されている(プロパイロットとは表記されていないが、LDPの装備もある)。
現行型では追従機能のない旧来のクルーズコントロールが設定されているのみだったが、2017年モデルにプロパイロットが採用されれば、ライバルを超え一気に進化を遂げることになる。
レジャーのアシとしても大活躍するエクストレイルだけに、長距離ドライブの疲労軽減に役立つ同一車線自動運転技術は相性が良い。新型の購入を検討するなら、ぜひ装着したい装備だ。
エクストレイル 2017年モデルのエンジンは!? ディーゼル復活の有無も予想
北米仕様の2017年モデルでは、ハイブリッドの追加がニュースになっていた。しかし日本ではすでに存在する仕様。そのほかエンジン・パワートレイン系のニュースはなかったことから、日本仕様の新型エクストレイルについては、現行モデル同様に「MR20DD」型 直4 2.0リッターガソリンエンジンのエクストレイル(JC08モード燃費16.4km/L~15.6km/L)と、同じく直4 2.0リッターガソリンエンジン+モーターのエクストレイルハイブリッド(JC08モード燃費20.6km/L~20.0km/L)の2タイプがそのまま用意されるだろう。なお新型エクストレイルでは、0.2km/L単位ながら燃費が向上する可能性もある。カタログ燃費のみならず、実燃費においても改善を期待したいところだ。
ちなみに旧型モデルまで設定されて、新型登場後も古い型のまま併売されていたクリーンディーゼルモデルだが、2015年にその役をハイブリッドモデルに譲り廃止されてしまった。ライバルのマツダ CX-5では長距離での使用も多いSUVとの相性の良さから、販売の8割以上がディーゼルモデルだという。エクストレイルのヘビーユーザーの中にはディーゼルモデル復活を望む声もあるようだが、今のところ日本仕様への導入予定はなさそうだ。
エクストレイル/エクストレイルハイブリッド 2017年モデルの価格は!? プロパイロットの価格も予想
新型エクストレイルの価格だが、大幅な上昇はないものと思われる。現行エクストレイルは2WDモデルが2,238,840円~2,971,080円、同4WDモデルが2,445,120円~3,177,360円。エクストレイルハイブリッドは2WDモデルが2,669,760円~3,306,960円、同4WDモデルが2,876,040円~3,513,240円となっている。グレードの整理などもあるだろうから全くそのままというワケにはいかないだろうが、現行と10万円単位で価格の変化があることは予想しづらい。
なお新型で一番の話題となるであろうプロパイロットだが、こちらの価格はどうだろうか。セレナの場合、プロパイロットが含まれるセットオプション(セーフティパックB)が+243,000円の設定となっており、同等の価格上昇が見込まれる。
日産 新型エクストレイルハイブリッド(4WD) 主要スペック(予想)
日産エクストレイル 2017年マイナーチェンジモデル予想スペック | |
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日産 エクストレイル ※マイナーチェンジモデル予想 | |
燃費(JC08モード) | 20.2km/L |
トランスミッション | エクストロニックCVT |
乗車定員 | 5名 |
全長 | 4,686mm |
全幅(車幅) | 1,839mm |
全高(車高) | 1,737mm |
ホイールベース | 2,705mm |
車両重量(車重) | 1,612~1,730kg |
エンジン型式 | MR20DD型 |
エンジン種類 | DOHC筒内直接燃料噴射直列4気筒 ガソリンエンジン |
排気量 | 1997cc |
最大出力 | 142ps(104kW)/6000rpm |
最大トルク | 19.5kgf-m(191Nm)/3600rpm |
電気モーター最高出力 | 41ps(30kW) |
システム最高出力 | 178ps(130kW) |
動力用主電池 | リチウムイオン電池 |
※主要諸元は北米仕様2017年モデルを参考に独自算出した予想値で日本仕様と異なる可能性あり
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