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日本にない日本車 2012/5/5 00:00

日本にない日本車「日産 アルティマ」(1/2)

関連: 日産 ティアナ , 日産 ブルーバードシルフィ Text: 桃田 健史 Photo: 桃田健史/日産自動車
日本にない日本車「日産 アルティマ」

2012年NYショーで「日産 アルティマ」の第五世代がワールドプレミア

ニューヨークモーターショー2012で公開された日産 新型「アルティマ」[2013年モデル]と、日産のカルロス・ゴーンCEO

カルロス・ゴーンCEOは、第五世代「日産 アルティマ」の前で自信満々の表情だ。

2012年4月9日、米NYショーでワールドプレミアされた新型「アルティマ」。先代よりも、かなりダイナミックなフォルムになった印象だ。インテリアもダッシュボード他がソフトタッチとなり、高級車の風格が漂う。またプレスリリースによると、車内の静粛性も格段に向上、新型テレマティクスの”日産コネクト”搭載など、「アルティマ」の魅力が倍増している。

今回はボディサイズの詳細数値は未公開。分かったのは搭載エンジンが2.5リッター  直4(182 hp)と3.5リッター V6(270hp)であること。両エンジンともエクストロニックCVTを標準装備すること。また米EPA(環境保護局)の燃費値でハイウエイ走行時の38MPG(マイル・パー・ガロン/ リッター換算で約16km)。これは競合車のトヨタ「カムリ」を3MPG上回った。

そして価格はベースモデルで2万1500ドル(約176万円)から。アメリカでの発売開始は今年7月だ。

筆者は同車の発表現場で、デザインを統括した日産グローバルデザイン本部関係者に話を聞いた。それによると、デザイン開発の軸足は”プレミアム感を上げること”だったという。「元々、アルティマはカムリ、アコード[日本の「インスパイア」]と比べて、スポーティ性を強調してきました。ですが最近のアメリカの若い層を中心に、このセグメントでプレミアム性を重視する声が高まっています。そのため今回は、スポーティ性とラグジュアリーのバランス感を狙ったデザインとしました」(同関係者)という。

北米日産で最多販売のドル箱モデル「アルティマ」

日産 新型「アルティマ」[2013年モデル] 外観
日産 新型「アルティマ」[2013年モデル] エンジン日産 新型「アルティマ」[2013年モデル] インテリア

日産の北米ビジネスにとって「アルティマ」は最多販売数の製品だ

2011年、北米日産の総販売台数は、乗用車が61万1080台、SUVやピックアップトラックが33万2993台。そして「アルティマ」は、その乗用車販売の44%を占める26万8981台も販売したのだ。フルモデルチェンジの前年に、先代モデルがこれほど大量に売れるのだから驚くほかない。

「日産 アルティマ」が属するDセグメントセダンでは、「トヨタ カムリ」「ホンダ アコード」の2強と「アルティマ」、さらにはヒュンダイ「ソナタ」、GMシボレー「マリブ」などがパイの争奪戦を繰り広げている。そうした状況で”第六世代までの次の6年間”を見据えた商品開発の方向性を見極めるのは非常に難しい。それを日産幹部は”想定以上の出来栄え”として当初計画を成し遂げた、と思っている。

今回の2012NYショー現場では、ゴーンCEOをはじめてとして、日産関係者は一様に新型「アルティマ」の出来栄えに大満足な様子だった。実は、彼らの満足感の理由のひとつに、”世界戦略Dセダンとして最良の出来栄え”があるのだ。

原点は・・・往年の名車「ブルーバード」

日産 ブルーバード セダン ターボSSS-S[910型:1979~1983]

「アルティマ」というクルマ、どんなにアメリカで売れているとはいっても、日本人にとってはどこかピンと来ない。

「アルティマ」の他に「マキシマ」があるし、日本では「ティアナ」がある。こうした各種中型セダンの位置付けがなんだかよく分からない。そう思う日本人も多いはずだ。

そこで簡単に「アルティマ」他、日産中型セダンの歴史を振り返ってみたい。

その原点にあるのは、あの「ブルーバード」だ。

日産 ブルーバードに大きな変化が生まれたのは、1979年登場の第6世代の時だ。クルマ好きなら「910ブルーバード」と言うと通じるかもしれない。当時のスーパースター、ジュリーこと沢田研二がCMキャラクターに登場し、真っ赤な「SSSターボ」が若者にブームとなったあの頃だ(アラフォー以上の読者の方なら「ああ懐かしい」と頷かれているだろう)。

ブルーバードの上級モデルが北米進出、そしてブルーバード自体も名を変え・・・

日産 ブルーバード・マキシマ 4ドアハードトップ V6ターボ マキシマ ルグラン[U11型:1983~1995]
日産 マキシマ タイプI[J30型:1988~1992]初代 日産 ブルーバード・シルフィ 18Vi Gパッケージ[G10型:2000~2005]

この大ヒット作が熟成され第7世代に移行する際、FF化し、さらにV型6気筒エンジンを積んだ「ブルーバード・マキシマ」が日本国内でも登場する。つまり「ブルーバード」が、当時の上級オーナーカー「ローレル」寄りの車格までイメージを拡大したのだ。これまでも4代目・5代目にはそれぞれ6気筒搭載モデルはあった(輸出仕様では6代目にも存在)が、「トヨタ マークII」など、当時隆盛を極めたトヨタのハイソカーへの対抗意識の現れとして、上級モデルが独立した格好となった。

またいっぽうでこのモデルは「マキシマ」として北米市場にも導入された。ちなみに余談だが、同第6、第7世代のマキシマ開発総責任者・石川康雄氏は、筆者の横浜の実家の隣に40年間程お住まいだ。「ブルーバード・マキシマ」登場の前後、お隣の車庫には連日、他社競合車など様々なクルマがあったことを思い出す。

また90年代に入ると、「ブルーバード」の北米版として「アルティマ」が登場。その後「マキシマ」は「セフィーロ」との共通化路線となる。またいっぽうで2000年には小型セダン「ブルーバード・シルフィ」が追加されたが、ブルーバード名はサブネーム扱いで、もはや「シルフィ」として独り立ちした感がある。事実、中国などでは単に「シルフィ」の名で売られている。

そうして2001年に日本専用車の「ブルーバード」(U14型)は、日本でのセダン需要低迷を受け、42年間の歴史を終えた。

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