日産 新型 ティアナ[2014年2月デビュー・3代目] 試乗レポート/渡辺陽一郎(1/4)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:和田清志・日産自動車
イマドキのオシャレで若々しい50代夫婦に狙いを定めた新型セダン
日産の上級セダン「ティアナ」がフルモデルチェンジした。今回で3代目となる新型ティアナは、世界120ヶ国以上で年間60万台以上を販売する、日産の中でも非常に重要な位置付けの世界戦略車だ。初代の「モダンリビング」、2代目の「おもてなし」コンセプトに続く新型ティアナが指し示す世界観とは。自動車評論家の渡辺陽一郎がレポートする。
モニター画面の左側には、サザエさんでお馴染みの波平さんとフネさん夫妻、右側にはサザンオールスターズの桑田佳祐さんと女優の黒木瞳さん。新型 日産 ティアナの報道試乗会の車両説明では、こういった人達がパワーポイントを使った説明に登場した。
4名の共通点は、年齢が50代であること。波平さんは54歳、フネさんは53歳(48歳の説もある)。桑田佳祐さんは1956年生まれ(58歳)、黒木瞳さんは1960年生まれ(53歳!)だ。
衝撃!フネさんと黒木瞳さんは同い年だった・・・!
商品企画の説明を要約すると、昭和の50歳代は波平さんとフネさんに代表され、平成の時代は桑田佳祐さんと黒木瞳さんに象徴されるらしい。今の50歳代は昔に比べると若々しく、女性もバリバリと仕事をこなすイメージ。そこに焦点を当てて開発されたのが、新しい日産ティアナというわけだ。
今の50歳代に向けたアピールポイントとしては、躍動感のある外観、快適な室内、優れた走行性能の3点を挙げている。
3代目となる新型日産 ティアナの詳細は、2014年1月20日に「日産ティアナ新型車解説」で述べているので、今回は運転感覚などの試乗記を中心にお届けしたい。果たして桑田佳祐さん、黒木瞳さんの世代にピッタリなクルマに仕上がっているのだろうか。
新型ティアナはシンプルな3グレード構成
新型ティアナのグレード構成はシンプルだ。先代型は前輪駆動の2WDにはV型6気筒の2.5リッターと3.5リッター、4WDには直列4気筒の2.5リッターという組み合わせだったが、新型の駆動方式は2WDのみだ。エンジンは直列4気筒の2.5リッターで、V型6気筒は廃止されている。
グレードは3種類が用意され、試乗したのは最上級の「XV」(304万5000円・消費税5%込み、以下同)。前席にエアコンディショナーを備えた本革シート、17インチサイズのアルミホイールなどが備わる。運転席はインテリジェントキーに連動した電動調節式。乗降時に運転席が自動的に後退して乗り降りを助け、再び運転する時にはメモリーされたポジションに復帰する。カーナビはオプション設定だが、そのほかの快適装備は充実している。
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