日産 新型シルフィ 新型車解説(2/2)

日産 新型シルフィ 新型車解説
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室内はフーガなどLサイズセダンと互角という余裕の広さ

日産 新型シルフィ
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ホイールベース(前輪と後輪の間隔)は2700mmを踏襲して、ボディサイズの割に車内は広い。フーガなどのLサイズセダンと互角の居住性を備える。特にリアシートの足元空間は、ブルーバードシルフィが5ナンバーセダンでは最大の寸法を確保しており、それは新型シルフィも同等だ。

シートのサイズは、フロント・リア共に余裕がある。車内の広さと相まって、大人4名が快適に移動することが可能だ。シートの生地もスエード調を基本としており、肌触りが良い。

インパネ周辺の質感は向上した。

ブルーバードシルフィの直線基調も悪くなかったが、新型シルフィでは曲面を描き、中央部分が手前に張り出す。エアコンやカーナビなどの操作性も優れている。ファインビジョンメーターも備わり、視認性と質感を高めた。ソフトパッドの仕上げも入念だ。

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2リッターから1.8リッターへダウンサイジングされ、実用的な燃費値へと向上

日産 新型シルフィ

エンジンは全車が直列4気筒の1.8リッターを搭載。MRA8DEと呼ばれる新しいタイプで、ブルーバードシルフィの2リッター(MR20DE)をベースに、排気量を200cc縮小させた。

エンジンの性能は、最高出力が131馬力(6000)回転、最大トルクが17.7kg-m(3600回転)になる。以前のブルーバードシルフィが搭載していた2リッターに比べると、最高出力で2馬力、最大トルクで1.8kg-mのマイナスだが、ミドルサイズセダンとしては不足のない動力性能だ。

最大トルクが実用域の3600回転で発生するため(従来型の2リッターは4400回転)、排気量が200cc減って車両重量は10kgほど増えたが、不都合を感じない。バランスの良い動力性能を身に付けている。

JC08モード燃費は「15.6km/L」。従来型の2リッターが13.4km/Lだったから、排気量の縮小もあって燃費数値は16%の上乗せだ。アイドリングストップを装着しない「スバル インプレッサG4」の1.6iが16.4km/L、アイドリングストップ付きの「三菱 ギャランフォルティス1.8エクシード」が15.8km/Lだから、シルフィもまずまずの値となる。

新型シルフィがエコカー減税対象外となる理由

日産 新型シルフィ

しかし、残念なことにエコカー減税は対象外になった。

減税のベースになる平成27年度燃費基準と照合すると、シルフィの車両重量(1230~1240kg)では、同基準をクリアするには17.2km/Lの燃費数値が必要。15.6km/Lでは数値が足りない。仮にアイドリングストップを装着して燃費数値を8%高めたとしても、15.6km/L×1.08=16.8km/Lで、17.2km/Lには届かない。エコカー減税を達成するには、さらなる燃費性能の向上が必要だ。

もっとも、平成27年度燃費基準にも問題がある。エンジンの排気量に対してボディの重い(車両重量に対して排気量が小さい)車種には有利で、ミニバンのセレナは2リッターエンジンを積んで15.2km/Lでも免税だ。3ナンバー車のシルフィが15.8km/Lで減税ハズレなのは、矛盾が伴うところではあるだろう。

また、減税に対応できないからといって、オプションでもアイドリングストップを付けられないことにも疑問がある。今日の国産乗用車では、アイドリングストップは減税獲得の道具になり、減税対象外の装着車はゼロだ。矛盾を抱えた平成27年度燃費基準に基づくエコカー減税の施行により、国産車の開発姿勢が歪んでしまった。そして、新型シルフィにもその影響が見受けられる。

日産 新型シルフィ

サスペンションは、フロント側がストラット、リア側はトーションビームの車軸式。前輪駆動車として、オーソドックスな方式を採用する。4WDモデルは設定されていない。

グレードは3種類が設けられ、ベーシックな「S」(193万7,250円)、中級の「X」(209万4,750円)、上級の「G」(238万9,800円)となる。「X」の価格は、ブルーバードシルフィで売れ筋グレードだった20Mと同額だ。

となれば開発者の意図も、Xを主力グレードに置いている。そこでグレード間の価格差と装備の違いを見ると、Sに対してXは、インテリジェントキー、エアコンのフルオート機能、サイドターンランプ付きドアミラー、オートライトなど、おおむね15万円相当の装備を加える。Sに対する価格上昇が15万7,500円だから、プラスされる装備とのバランスは良い。

最上級のGは、Xにサイド&カーテンエアバッグ、アルミホイール、ディスチャージヘッドランプなどをプラス。これらの装備を価格に換算すると約24万円だが、価格上昇は29万5,050円と大きい。となれば、最も買い得なのはやはりXだ。

この選択で悩むのはサイド&カーテンエアバッグ。シルフィにはメーカーオプションの設定が一切なく、サイド&カーテンエアバッグを付けようと考えたら割高な最上級のGを選ばねばならない。

横滑り防止装置と同様、サイド&カーテンエアバッグも全車に標準装着するか、せめてSやXにもメーカーオプションとして設定すべきだ。

「ブルーバード」の時代に別れを告げて新たな3ナンバーセダンに発展したのだから、安全に対する気配りも手厚い「シルフィ」であって欲しい。そう感じさせるほど、内外装は上質に仕上げられ、居住性も優れている。

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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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