「リーフタクシー」神奈川県でEVタクシーが本格始動!/桃田健史(2/3)
- 筆者: 桃田 健史
- カメラマン:桃田健史
神奈川県のEV戦略における「3つの柱」
神奈川県のEV戦略には3つの大きな柱がある。
第一が、初期需要の創出。
これは、EV購入補助金や自動車税・自動車取得税の100%免税だ。ちなみに、「i-MiEV」(車両価格398万円)を神奈川県民が買う場合、国の補助金は171万円、神奈川県では国の補助の50%の補助金で57万円、差し引きで227万円となる。
さらに神奈川県内の市町村では県の50%の補助金を出すケースもある。例えば、藤沢市民の場合「i-MiEV」の価格は198万5,000円になってしまう!
第二に、普及啓発。
ここには、EVシェアリング、EVタクシー、EVバス、EVバイクが含まれる。EVシェアリング、EVバイクでは「箱根EVタウンプロジェクト」として、EVバイクレンタルやJTBと組んだ「EVレンタカー in 箱根」を実施中だ。
EVバスでは、慶応義塾大学環境情報学部・清水浩教授を中心とするグループが「電動フラットバス」をいすゞ自動車他の協力で現在開発中だ。
ちなみに、慶応大学は川崎市内に日吉キャンパス、新川崎キャンパスなどがあり、いすゞ自動車の主力工場は藤沢市にある。全てが「神奈川県つながり」なのだ。
第三には、充電インフラの整備。
急速充電の設置に補助金を出し、1月末現在で県内設置は70基、2014年までに100基を整備する。その他、200Vの普通充電をマンションなどの集合住宅に設置、実証試験を行っている。
まさに神奈川県は、「EVにどっぷり」なのだ。だから、「神奈川でEVタクシー」は自然な流れなのだ。
このEVタクシー、福祉サービスでも活躍する。平成25年3月まで、障害者割引を通常の1割から2割へと拡大。乗務員向けの福祉関連のケア講習も実施している。
ちなみに環境への貢献を数値化すると、EVタクシー1台でLPGやガソリン車と比較して、1台当たり(6万キロ走行換算)で、約8トンのCO2の削減効果がある。これは杉の木で約550本分の吸収量に相当する。
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