金子浩久・小沢コージの日独ミニバン対談－VW シャラン vs 国産ミニバン－(1/3)

新型シャランは日産エルグランドに勝てるのか？

15年ぶりに一新された、ドイツ流ミニバンのド本命「フォルクスワーゲンシャラン」。

奇しくも、発表タイミングは日本流ゴージャスミニバンの寵児である3代目「日産エルグランド」とほぼ一緒である。

果たしてシャランはエルグランドやアルファードの好敵手になれるのか？それとも全くの別物！？お馴染みの金子浩久と小沢コージの二人がドイツの試乗会場で勝手に語り合った。

和風ゴージャス系の盲点を突いてる

－ドイツミュンヘン郊外にて－

小沢：（バイツェンビールを飲みつつ）ぷは～、やっぱ試乗の後のビールは旨い！しかし、金子さん、新型シャラン、いいクルマではありますね。

金子：“シャ乱Ｑ”っていうくらいだからね。“ズルイ女”もとい“ズルイミニバン”ではあるんじゃない（笑）

小沢：それ、ダジャレですか。それとも本質突いてるわけ？

金子：日本のミニバン、特にエルグランドやアルファードみたいなゴージャス系ミニバンの盲点を突いた出来ではあるよね。つまり、下品じゃない高級ミニバンってことでしょう。そこの需要はなくはないんじゃない。メチャクチャ多くもないだろうけど。

小沢：下品とはまた金子さんらしい偏見に満ちた表現ですが、確かにそこはあるでしょう。

金子：とにかくデザインから質感、走りまで控えめかつ上質で「こういうのを待っていた」という人はいると思う。エルグランドもいいけど、あの独特の銀座のクラブ系の匂いが苦手な人も結構いる。

小沢：金子さんみたいにね（笑）。ただ、そういう人が果たしてどれくらいいるかですよね。日産によればエルグランドの月販目標は1,900台で、最初の需要はかるーく突破しそう。それに比べると・・・。

金子：でも、ホンダのエリシオンが未だ年間1万台は売れるっていうじゃない。その半分ぐらいの可能性はあると思う。

小沢：まあ、結局“大きなゴルフ”ですからね。VWゴルフ自体、そもそもかなりツウなクルマで、見た目は地味だし、走ってナンボ。でも、70年代からカローラやサニー、あるいはクラウンの豪華さに満足できない人が結構買っていたわけで、そのミニバン版ってのもありかもしれない。

金子：それに最近のフォルクスワーゲンジャパンは、超ベタな子供店長のCMを見れば分かる通りに、ハッキリと「打倒国産！」に舵を切ってきたわけだろう。それを考えると来年、シャランをマジで入れて売り切るかもしれないよ。

小沢：ポロもほとんど200万円で入れてきたし、VWの本気は伺えますよね。