日産先進技術試乗会2010(3/4)

日産先進技術試乗会2010
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Dynamic Performance技術の取り組み

今回の説明会では、今秋発売予定のフーガハイブリッドに搭載される「電動油圧式電子制御パワーステアリング」「電動型制御ブレーキ」を中心に解説が行われた。

電動油圧式電子制御パワーステアリング

ステアリングを開発する際に「人間の感覚特性を考慮し、自然で意のままにクルマの動きを操ることができる安心感の提供を目指し、電動油圧式電子制御パワーステアリングを開発。

油圧パワーステアリングのなめらかな操舵フィールを活かしながら、きめの細かい制御が可能な電動ポンプを組み合わせることで、理想な操舵力特性を実現したという。操舵時のみモーターが作動する方式で、ドライバーが左右に転舵するとトルクセンサーが操舵力を検知し、ECUが操舵力、車速、舵角の信号を受信すると、最適なモータートルクを計算し、モーターによってポンプを作動させる。

アシスト時のみ作動するためロスが小さく、約2%の燃費向上を実現している。

電動型制御ブレーキ

人間の感覚を考慮して開発されたブレーキは、ペダル操舵力によってブレーキ特性を変化させることでブレーキ操作による身体的負担を軽減させている。

こうした考えの元に開発された電動型制御ブレーキは、モーターが直接ブレーキシリンダーを作動させる倍力装置で、センサーがドライバーのブレーキ操作を検出すると、ECUがモーターをコントロールし、モーターの作動によってピストンが圧力を発生させる仕組みとなる。

また、減速時に発生する熱エネルギーを電気エネルギーに変換する回生ブレーキを搭載しており、モーターがブレーキ液圧とブレーキペダル反力を制御することで、自然なフィーリングを実現するとともに、エネルギー回生効果が最大になるよう、摩擦ブレーキの油圧を最適化するというものだ。

ごく短距離ではあったが、これらを搭載したフーガに試乗したところ、ステアリングフィールは極めて自然。ブレーキについては、先だって試乗したリーフのプロトタイプと同じ機構であるわけだが、リーフに乗った際の印象に比べると、やや反力が大きめであることが若干気になった。

このあたり、車両重量やトランスミッションの違いも影響しているものと思われる。とはいえ、既存のHVやEVに比べると違和感はとても小さく、このクルマだけ所有する人にとっては、慣れればまったく気にならないレベルかと思う。

HBMC(Hydraulic Body Motion Control)

北米向けのフルサイズSUVであるインフィニティQX56に搭載された、オンロードでの操縦安定性と乗り心地を両立することを目的に開発された技術。

各サスペンションに設けられる油圧シリンダーと、油圧パイプ、アキュムレーター(蓄圧器)で構成され、サスペンションの油圧シリンダーを2系統のパイプで接続することで、路面からの衝撃を吸収するとともにロールを抑制する。ロールを抑制するにはスタビライザーの装着も効果的である反面、オフロードではサスペンションのストローク量を規制してしまうというデメリットもあるのだが、同アイテムではその心配もない。

また、動力源を必要としないため燃費への影響がない点も特長だ。試乗したところ、重心の高いSUVながら車体がほとんどロールすることなくコーナーをクリアできたことに感心。

乗り心地については、路面状態がとても良好なコースだったため、快適だったとしか述べようがないのだが、突っ張った印象も皆無で、ロール剛性を高めたがために乗り心地が犠牲になったという気配はなかった。

コストでいうと約50万円高とのことで、やや高価なアイテムではあるが、それに見合う効果はあるといえるだろう。

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岡本 幸一郎
筆者岡本 幸一郎

ビデオ「ベストモータリング」の制作、雑誌編集者を経てモータージャーナリストに転身。新車誌、チューニングカー誌や各種専門誌にて原稿執筆の他、映像制作や携帯コンテンツなどのプロデュースまで各方面にて活動中。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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