20代に人気の「キューブ+マーチ」(2/2)
- 筆者: 岡本 幸一郎
キューブ・マーチが人気の理由(ワケ)は!?
それはまず、いわずもがなスタイリングにあると考える。最近の日産車は上から下まで印象的なルックスを持つ車種がいくつもあり、思わず目で追ってしまうことが多々あるのだが、この2台もボディサイズこそコンパクトだが、存在感は大きい。
ごく普通に市販されているが、かつてバブル期に日産が世に送り出したパイクカーの現代版ともいえる趣きもあり、その醸し出す特別感ゆえ、多くの若者が「欲しい!」と感じるのだと思う。
キューブというと、初代はちょっと地味なスタイリングだったが、2代目はキュートなデザインや左右非対称ボディの話題性もあって、一躍人気車になったのはご存知のとおり。その延長上にある現行の3代目は、さらに個性的なスタイリングを得た。フロントマスクの独特の表情も面白い。
そして女の子に人気のマーチも、大きなヘッドランプを高い位置に配し、その脇にヒゲのようにグリルを添えた、愛嬌のあるフロントマスクが印象的。
全体的にラウンドしたフォルムも、このマスクによく似合う。かなり遠くから見ても、このマスクを見れば一目でマーチとわかる。
若い女性がマーチを欲しがるのは、愛玩動物をかわいがりたいという心理と似たものがあるのかもしれない。
ボディカラーの設定も充実しているのも、さらなる魅力のひとつ。マーチは可愛らしいデザインによく似合う全11色を用意。
キューブは新感覚のユニークな色調を含む全10色から選ぶことができる。とくにマーチは、優れた色彩の自動車デザインが顕彰される「オートカラーアウォード」において3度のグランプリを受賞するなど、公式にも高く評価されているのだ。
2代目もなかなか印象的だったが、現行の3代目ではマイルーム感覚がさらに進化し、ソファのような上質なシートや、バスタブをイメージしてデザインしたというインパネが与えられている。この価格帯で、ここまで贅沢なインテリアを持つクルマはほかにない。
収納スペースが豊富に設定されているところもメリットだし、横開きのバックドアが好みという人も少なくないだろう。
若者の多くは、これら2台が持つ上記のような付加価値の高さを大なり小なり感じ取っているから、こうして欲しいクルマとして車名を挙げたに違いない。
母数が1000人ものアンケートだから、偶然というわけではないだろう。あらためて、キューブとマーチという日産を支える2台のコンパクトカーの魅力を再確認するよい機会となった。
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