2009年 下半期ベスト・バイ・カー/松田秀士(2/2)

2009年 下半期ベスト・バイ・カー/松田秀士
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【輸入車編】トータルベストカー/ボルボ XC60

ボルボ XC60

北欧のデザインテイストがとても新鮮で、SUVに必要なキモをよく押さえている。

3リッター直6ターボエンジンをフロントに横置きに搭載する。見るからにフロントヘビーなレイアウトだが、いざステアリングを握って走り始めるとそんなことは感じさせない。特に高速でのパフォーマンスは285psという余裕のパワー。

そして、驚いたのはその走りのスタビリティだ。直進安定性がとても高く、乗り心地もとても良い。静粛性も、高くライバルを凌ぐバランスと快適性を持っている。

シティセーフティという低速時に追突を回避するシステムの認可を日本国内でいち早く受けるなど、ボルボ・ジャパンとしての取り組みも評価できる。

安全性を含めたトータルパッケージとして、XC60の評価は高い。

【輸入車編】ベストハンドリングカー/メルセデス・ベンツ Eクラスクーペ

メルセデス・ベンツ Eクラスクーペ

Eクラスセダン&クーペ、GLK、Cクラス。

これらは全て同じプラットフォームによって造られている。車高の低いEクラスクーペからSUVのGLK、そしてセダンまでフォローしているのだ。

今、世の中のクルマはプラットフォームの共通化が進んでいる。それらがもたらすものは効率化だ。つまりベースの部分を大量に作ることによって、安くクルマを作り上げることができるようになる。そして、浮いたバジェットでモデルごとの個性付けを明確に差別化しているのだ。

ここ最近のモデルの中で、その最たるモデルがEクラスクーペだ。ボクはステアリングを握ってやはり5分でEクラスクーペのとりこになった。

そこには、GLKのどっしり感も、Cクラスの軽々しさも、Eクラスの豊満感も存在しない。あるのはスポーティな個性あるハンドリングだ。また、最近追加されたE250クーペCGIの車体価格はこの効率化により可能になっていることは確かだが、クオリティを落としていないことに感心する。

【輸入車編】ベストデザインカー/シボレー カマロ

シボレー カマロ

アメリカン、マッスル、グラマラス。ここのところそんな個性を持ったアメ車が減っている。

欧州車のようなサスペンション、日本車のようなコンパクトサイズ。そんな世界的な流れにアメ車は居場所を無くしている。もうアメ車に夢を持てなくなってしまったのかと思っていたところにカマロが登場し、とても嬉しく思う。

アメリカンな匂いがぷんぷんするこのグラマラスなシルエットが再び脚光を浴びること、そのことがクルマ業界にとっての財産となる。

効率よく移動できて、環境にも優しい。究極の効率を求めたとき、答えは一つしかない。それを善としたとき、そこから何が生まれるのだろうか。

適度な無駄は、人に感動を与えると思う。カマロは、人間の感性という重要なテーマに訴えるデザイン性と品質を持っている。もちろん、直噴や気筒休止技術も評価できるものだ。

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松田 秀士
筆者松田 秀士

1954年高知県生まれ。僧侶の資格を持ち、サラリーマン、芸能人の付き人を経て、28歳でレースデビュー。92年には、デイトナ24時間&ル・マン24時間レースに出場。94年、インディ500マイルレースに日本人2人目のドライバーとして初参戦。2年目の95年には完走を果たし、翌年、当時日本人最高位完走という成績を残した。同じ頃から東京中日スポーツ新聞等で自動車評論活動を開始。現在も執筆活動の傍ら、レーシングドライバーとしても活躍中。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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