日産は「時代の最先端を走るデザイン」を、ホンダは「NSX」をテーマに展示【オートモビルカウンシル 2017】

日産は「時代の最先端を走るデザイン」を、ホンダは「NSX」をテーマに展示【オートモビルカウンシル 2017】
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「時代の最先端デザイン」は日産のヘリテージのひとつ

「AUTOMOBILE COUNCIL(オートモビルカウンシル)2017」に昨年に引き続き出展を行った日産は、展示テーマを「時代の最先端デザイン」として、日産の過去と現在のデザインを結ぶ4台を展示した。

その4台は、日産ヘリテージコレクションに所蔵されている「ダットサン14型ロードスター(1935年)」、「プリンス スカイラインスポーツクーペ(1960年・BLRA−3型)」「日産 初代シルビア(1966年・CSP311型)」と、「Vmotion 2.0(2017年・デトロイトショー出品車)」となっており、オートモビルカウンシルのテーマ「CLASSIC MEETS MODERN」に即して、4台のうち1台は最新のプロトタイプがチョイスされていた。

それと日産ブースの展示では、日産OBが務める「日産アーカイブス」のスタッフが車両の解説をしてくれるサービスが特徴的で、来場者はスタッフの解説に熱心に耳を傾けていた。説明パネルを読んだだけでは決して伝わらない「生の説明」を受けられることはクルマ好きならずとも嬉しいことだ。

とくに印象的なクルマ、気になったクルマについてパネルには書いていない話を聞けたら、よりクルマへの興味を持ってもらえることだろう。メーカー側としてもヘリテージカーを少しでも知って欲しいという思いもあると思うので、解説員を置くことは良い取り組みに感じられた。

斬新で記憶に残るデザインの多い日産では、「時代の最先端デザイン」もたしかにヘリテージのひとつと言えるかもしれない。

>>日産(オートモビルカウンシル2017)時代の最先端デザインを画像でチェックする

レストアが終わったばかりのスカイラインスポーツに注目

オートモビルカウンシル 2017 日産 プリンス スカイラインスポーツ クーペ
オートモビルカウンシル 2017 日産 プリンス スカイラインスポーツ クーペ

解説員の中山さんは、4台のチョイスはかなり悩みました、と語った。たしかに80年以上の歴史を持つ日産のクルマたちには人気車が多く、その中からデザインというテーマで4台を選ぶのは大変な仕事だったと思われるが、その中からダットサン14型、スカイラインスポーツ、初代シルビアのヘリテージカー3台はたしかにテーマを捉えた素晴らしいチョイスだと思った。

個人的に注目したのは、青いボディカラーも鮮やかなプリンス スカイラインスポーツだった。今年になって当時の姿に近づけるためにレストアが行われて、今回のオートモビルカウンシルで晴れて美しい姿を初披露した。

プリンスは出自を立川飛行機や中島飛行機に持ち、航空機開発エンジニアたちによる高い技術力と斬新なアイデアを誇るメーカーだった。日本のモータリゼーション黎明期にすでに海外に目を向けていたことも特筆される。

デザインをイタリアのカロッツェリア「ミケロッティ」に依頼した日本初の超高級スペシャリティクーペ、スカイラインスポーツもそのひとつで、イタリアにデザインを発注するのは日本初だったほか、こちらも日本初となる、海外ショーでのワールドプレミアを行ったことでも知られる。

プロトタイプは初代グロリア(BLSI-3型)のエンジンとシャーシをイタリアに空輸してボディをアレマーノで載せていたが、生産型からはプリンス自身がすべての生産を行った。1962年まで製造されたが生産台数は極少ないため、残存車は貴重な存在となっている。

さらに展示車は、1960年のトリノショーに展示されたプロトタイプそのものという輝かしい歴史を持ち、エンブレムなどに生産車との差異が認められるという歴史的にも文化的にも貴重な一台だ。レストア前はフェンダーミラーが装着されていたが、ショーに出品された美しさを再現するためにレストアではミラーを撤去しているようで、オリジナルデザインの美しさを引き立てている。

「初代NSX」発売から27年。今やホンダのヘリテージに

オートモビルカウンシル 2017 ホンダ初代NSX
オートモビルカウンシル 2017 ホンダ 初代NSX-R

オートモビルカウンシル2017には、国内主要自動車メーカー5社が出展。ヘリテージを数多く持つホンダもその1社で、ホンダは今回新旧NSXを計4台展示した。

4台の内訳は「初代NSX(1989年・NA1型)」「初代NSX-R(NSX-Rの発売開始は1992年だが、展示されていたのは2002年以降のNA2型)」「現行型NSX(NC1型)が2台で、初代NSXは2台ともに新車同然の素晴らしいコンディションを保っていた。

初代NSXは1989年発表・1990年発売開始なので、はや27年が経過しようとしている。一方2代目となる現行型NSXは、2016年から生産を開始している。その間に姿は大きく異なったが、多くのファンの憧れる対象となるホンダのスーパースポーツカーという存在は変わることが無いことを感じさせた。また、写真家・森山大道氏のイメージフォト、初代NSXリフレッシュプランなども合わせて紹介されていた。

ただ残念なことに、ホンダブースに向かうとブース四隅に立つ展示用壁面がブース内を隠していて近づいても何を展示しているかわかりにくかったこと、NSXのヘリテージを紹介するというより単にNSXが新旧並んでいるだけというイメージで、正直に書いてしまうと展示内容が他の国内メーカーに比べて力が入っている印象が薄かった。

>>ホンダ(オートモビルカウンシル2017)新旧NSXを画像で比較する

ホンダを代表するクルマの展示なのだが…

オートモビルカウンシル 2017 ホンダ現行型NSX

NSXはホンダのクルマ造りの象徴であることは、クルマ好きなら誰しもが認めるところ。ならば、単にNSXの年表を並べるだけでなく、初代NSXのアルミ製ホワイトボディを展示するなど何か展示の方法が無かったのだろうか。

例えばマツダは開発部が持っていたという「ロータリーエンジン開発の困難さを示すチャターマーク付きローターハウジング」を持ち込み、しかも触れる展示にしており、「マツダのヘリテージを伝えたい熱い思い」が伝わってくる内容だった。「自動車文化を育てたい」という意気込みにも温度差を感じてしまったが、そう思ったのは筆者だけではないだろう。

NSXは日本が世界に誇る名車であり、それまでのスーパースポーツカーとは異なりイージードライブと実用性を実現し、その後の同種のクルマの流れを一変させたことなどエポックも数知れない。それにホンダは数えきれないほどのヘリテージを持ち、コレクションホールに貴重なホンダ車を大量に所有しているのだから、なおさら展示内容が惜しく感じられた。少々辛辣な意見となってしまったが、来年もしホンダが出展をする際には、よりファンの心を掴む内容になっていたらいいなと思った。

[レポート:遠藤イヅル/Photo:小林岳夫]

>>オートモビルカウンシル2017 イベント概要・他記事一覧はこちらから

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遠藤 イヅル
筆者遠藤 イヅル

1971年生まれ。カーデザイン専門学校を卒業後、メーカー系レース部門にデザイナーとして在籍。その後会社員デザイナーとして働き、イラストレーター/ライターへ。とくに、本国では売れたのに日本ではほとんど見ることの出来ない実用車に興奮する。20年で所有した17台のうち、フランス車は11台。おふらんすかぶれ。おまけにディープな鉄ちゃん。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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