日本にない日本車「DATSUN(ダットサン)」~日産が懐かしいブランド名を再起用する理由とは~/桃田健史(1/2)

  • 筆者: 桃田 健史
  • カメラマン:桃田健史/日産自動車
日本にない日本車「DATSUN(ダットサン)」~日産が懐かしいブランド名を再起用する理由とは~/桃田健史
DATSUN GO(ダットサン ゴー)[日産 新興国向け新ブランド「ダットサン」1号車] 日産 新興国向け新ブランド「ダットサン(DATSUN)」ブランドロゴマーク DATSUN GO(ダットサン ゴー)[日産 新興国向け新ブランド「ダットサン」1号車] DATSUN GO(ダットサン ゴー)[日産 新興国向け新ブランド「ダットサン」1号車] DATSUN GO(ダットサン ゴー)[日産 新興国向け新ブランド「ダットサン」1号車] DATSUN GO(ダットサン ゴー)[日産 新興国向け新ブランド「ダットサン」1号車] DATSUN GO(ダットサン ゴー)[日産 新興国向け新ブランド「ダットサン」1号車] DATSUN GO(ダットサン ゴー)[日産 新興国向け新ブランド「ダットサン」1号車] DATSUN GO(ダットサン ゴー)[日産 新興国向け新ブランド「ダットサン」1号車] DATSUN GO(ダットサン ゴー)[日産 新興国向け新ブランド「ダットサン」1号車] DATSUN GO(ダットサン ゴー)[日産 新興国向け新ブランド「ダットサン」1号車] 画像ギャラリーはこちら

”官営八幡製鉄所”との、意外なつながり

DATSUN GO(ダットサン ゴー)[日産 新興国向け新ブランド「ダットサン」1号車]

日産自動車は2013年7月15日、インドのニューデリーで、新型車「ダットサン GO」を世界初披露した。

ダットサンブランドとしては、約30年ぶりの復活だ。「GO」はインドをはじめ、ロシア、インドネシア、南アフリカで2014年から販売を開始。インドでは、同国南東部の都市チェンナイのオラガダム工場で製造する。

同車のスペックは、全長x全幅x全高=3785x1635x1485(mm)の5ドアハッチバック車。エンジン排気量は1.2リッターでトランスミッションはマニュアル5速。ベストバリューを狙った商品企画だが、スマホと車載器の連携など、新世代の世界戦略車として最新テレマティクスにもしっかりと対応している。

DATSUN GO(ダットサン ゴー)[日産 新興国向け新ブランド「ダットサン」1号車]DATSUN GO(ダットサン ゴー)[日産 新興国向け新ブランド「ダットサン」1号車]DATSUN GO(ダットサン ゴー)[日産 新興国向け新ブランド「ダットサン」1号車]DATSUN GO(ダットサン ゴー)[日産 新興国向け新ブランド「ダットサン」1号車]DATSUN GO(ダットサン ゴー)[日産 新興国向け新ブランド「ダットサン」1号車]

それにしても「ダットサン」とは、なんとも懐かしい響きだ。だが、どうしていま、「ダットサン」復活なのか? そもそも「ダットサン」とは何か? 日産と「ダットサン」との関係はどうなっているのか? さらには、日本でもそのうち、「ダットサン」が販売されるのか?

そうした疑問を解き明かすため、まずは時計の針をいまから112年前、1901年(明治34年)まで戻してみよう。

「東田第一高炉」官営八幡製鉄所の高炉復元(福岡県北九州市)[Photo:桃田健史]

「鉄は国家なり」。時の明治政府は、日本国の経済発展、国力増強を推進するため、英国や米国での鉱工業産業促進施策を手本とし、製鉄事業を起こした。それが、官営八幡製鉄所(所在地:現在の北九州市八幡東区)だ。つまり八幡は、当時の最先端産業技術が集約された場所だった。

その北東方向に10kmほど、海側の地域が戸畑だ。そこに1910年、アメリカの最新技術を駆使した戸畑鋳物が設立される。創業者は山口生まれの鮎川義介(29歳)。彼は明治時代に外務・内務・大蔵大臣など歴任した政治家・井上馨を大叔父に持つ家柄。東京帝国大学(現在の東京大学)で機械工学を学んだ後、「大企業や役所勤めは性に合わない」と、職工として日米の鋳物製造現場で学んだという、破天荒な人物だ。

日産自動車の原点はM&Aから

Datsun 12(ダットサン12型フェートン)[1933年]

その1年後、東京の麻布でエンジニアの橋本増治郎が、日本初の自動車製造所と言われる「快進社自動車工場」を立ち上げた。同社製品は、「速く動く」という意味での「脱兎のごとく」から「脱兎(ダット)号」とした。その後、実用自動車製造と合併し「ダット自動車製造」となる。

そして1931年、鮎川は事業拡大を狙って、戸畑鋳物自動車部を創設。1933年には戸畑鋳物グループとして「ダット」の製造権を得る。それが日産自動車の原点である。現代風に言えば、日産はM&Aにより自動車産業に参入したのだ。

また「ダットサン」とは、「ダット」の進化系という意味合いから、「ダットの子孫(son)」とし「Datson」。そこから派生して「Datsun」になったといわれている。

[次ページへ続く]

1 2 次へ

この記事の画像ギャラリーはこちら

  すべての画像を見る >

愛車の売却を、もっと楽に!もっと高く!

  • 一括査定はたくさんの買取店からの電話が面倒?

    これまでの一括査定は、たくさんの買取店からの電話が面倒でした。MOTA車買取なら、最大20社の査定額をwebで簡単比較。やり取りするのは査定額上位の3社だけ。車の査定が楽に完結する仕組みです。

  • 一括査定は本当に高く売れるの?

    これまでは、買取店に会わないと査定額がわからず、比較がしづらい仕組みでした。MOTA車買取は最短3時間後、最大20社を簡単比較。加えて、買取店は査定額上位3社に選ばれるために競い合うから、どうしても高く売れてしまいます。

【PR】MOTAおすすめコンテンツ

桃田 健史
筆者桃田 健史

日米を拠点に、欧州、BRICs(新興国)、東南アジアなど世界各地で自動車産業を追う「年間飛行距離が最も長い、日本人自動車ジャーナリスト」。自動車雑誌への各種の連載を持つ他、日経Automotive Technologyで電気自動車など次世代車取材、日本テレビで自動車レース中継番組の解説などを務める。近著「エコカー世界大戦争の勝者は誰だ?」(ダイヤモンド社)。1962年東京生まれ。記事一覧を見る

MOTA編集部
監修者MOTA編集部

MOTA編集部は自動車に関する豊富な知識を持つ専門家チーム。ユーザーにとって価値のあるコンテンツ・サービスを提供することをモットーに、新型車の情報や、自動車の購入・売買のノウハウなど、自動車に関する情報を誰にでも分かりやすく解説できるように監修しています。

MOTA編集方針

「車好きのみんなが見ているメルマガ」やSNSもやってます!
人気記事ランキング
最新 週間 月間

新着記事

新着 ニュース 新型車 比較 How To
話題の業界トピックス・注目コンテンツ

おすすめの関連記事

日産の最新自動車ニュース/記事

日産のカタログ情報 日産の中古車検索 日産の記事一覧 日産のニュース一覧

コメントを受け付けました

コメントしたことをツイートする

しばらくしたのちに掲載されます。内容によっては掲載されない場合もあります。
もし、投稿したコメントを削除したい場合は、
該当するコメントの右上に通報ボタンがありますので、
通報よりその旨をお伝えください。

閉じる