日産の次期型セレナ採用「プロパイロット」は自動運転か、サポートか?評価が割れる理由(2/2)
- 筆者: 国沢 光宏
自動運転は安全で確実な速度&条件でスタートしたばかり
ジュネーブ条約やEUは、安全で確実な速度&条件から自動運転の領域を増やして行こうとしている。ちなみに10km/hであれば1秒間に2.7mしか進まない。
この速度域なら前に歩行者が出てきても自動ブレーキで止まれるし、ハンドル(タイヤ切れ角)が突如18度横に切れてしまっても、1秒間で27cmしか横方向へ移動しない。ここから技術は進めましょうということ。
新型セレナのプロパイロットの場合、11km/hを超えた速度について言えば、いわゆるレーンキープサポートという機能が稼働する(NHTSAだとレベル1だから自動運転に含まれない)。
これまたキチンと紹介されていないのだけれど、レーンキープサポートも二つのレベルがある。
レーンから逸脱しそうになった時のみ反応して操舵してくれる最低限のタイプと、「運転」と言ってさしつかえのない車線の中央を維持してくれるレベルの二つだ。
この二つは技術レベル(センサー性能と解析能力)で大きな差があります。
レーンキープサポートも車種により実用性が異なる
さらに!後者のレーンキープサポートも、メルセデス・ベンツのように精度が悪くスイッチを切りたくなってしまう(むしろおせっかい)タイプもあれば、アイサイトVer.3の如く“ほぼ”実用性を確保出来ているタイプもある。
このあたり、現時点で玉石混交と言って良かろう。使える機能かどうかは車種によって全く違う。
ややこしいが、まとめると次期型セレナのプロパイロットは10km/hまで自動運転が可能。11km/h以上は十分に実用的な性能を持つレーンキープサポート機能を持っていると考えていい。
ちなみに日産はプロパイロットの技術を「ミニバン世界初」と言ってます。これ、正しいです。
[Text:国沢光宏]
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