日産 セレナ 試乗レポート(3/4)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:オートックワン編集部/茂呂幸正
新型セレナで注目のアイドリングストップ機能を試す
走行性能はどうだろう。
最も注目されるのはエンジンの直噴化だ。最大トルクはノーマルタイプの2Lでは最大級の21.4kg-m。最高出力も147馬力と十分だ(いずれも2WD)。
ATは無段変速式のCVTで、エンジンのパワーを有効活用している。車両重量が1,600kgに達するから加速力に余裕があるとはいえないが、2Lエンジンを積んだハイルーフミニバンでは優れた部類。
CVTの採用でエンジン回転の上下動が抑えられ、街中では滑らかに走れる。加速に移ると、エンジン回転が先行して上昇し、後から速度が高まる印象が少し強い。これは違和感に繋がると同時にCVTのメリットでもある。効率の良い回転域を積極的に使えるからだ。
ただし、最大トルクの発生回転数は4,400回転と少し高い。4,000回転以下で同程度のトルクを発生させれば、使いやすくなってエンジン回転が先行上昇する違和感も抑えられる。
動力性能は2Lエンジンを積んだハイルーフミニバンでは優れた部類だから、さらに洗練させて欲しいところだ。
新型で採用された機能として、アイドリングストップが注目される。
機能的な特徴は、エンジンの再始動時に発電機をモーターとして使うことだ。スターターに比べてノイズが抑えられ、再始動に要する時間も短い。
アイドリングストップ中にブレーキペダルの踏力を緩めていくと、滑らかに再始動する。ハンドルを回しても再始動するが、マーチに比べて反応を鈍く抑えた。
切り込むと、若干の重さを感じた次の瞬間に再始動する。違和感とも受け取れるが、マーチの神経質に再始動する印象は薄れている。
ATレバーがN/Pレンジでもアイドリングストップが行われ、この時はブレーキペダルから足を離しても再始動しない。しかし、シートベルトをはずすと再始動。ドライバーがアイドリングストップ中であることを忘れ、降車しないための配慮だ。
なお、アイドリングストップは、20Sを除いた全グレードに標準装着される。
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