日産セレナにも”NISMO”(ニスモ)登場! ワークスマシン直系のスポーツミニバンが現われた[速攻試乗](2/2)

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スポーティミニバンの元祖は日産だ!

今や、セダンに代わり日本のスタンダードとなっているMクラスミニバン市場は、トヨタ・ヴォクシー/ノア/エスクァイア3兄弟と日産セレナ、ホンダステップワゴンの三つ巴の戦いが繰り広げられている。当然、様々なユーザーが存在するが、その中には元々スポーツ系モデルに乗っていたものの、家庭環境が変わったことで泣く泣く乗っているユーザーもかなり多いと聞く。

そんなユーザーの最後の砦と言えるのが「スポーティミニバン」であるが、実はその元祖は日産だと言うことをご存じだろうか? 振り返る事1995年、3代目ラルゴをベースに内外装をカスタマイズした「ハイウェイスター」だ。

今では日産ミニバンのエアログレードの代名詞となっているが、当時はオーテック・ジャパンの特装車として登場している。専用のエアロパーツやインテリア程度であったが、「カスタマイズされたミニバンを普通にディーラーで購入可能」と、ファミリー層のみならず、20~30代の若い年齢層にも人気を博した。

当初は後袈装のカスタムモデルだったが、あまりの人気に多くのバックオーダーを抱えてしまい、1996年のマイナーチェンジからライン生産のカタログモデルへ切り替わったほどだ。

>>セレナ ニスモの詳しい画像を見る!【画像108枚】

NISMOがつくった”本気ミニバン”セレナNISMO

日産に稼ぎ頭を取られてしまった(!?)オーテックは、次の一手をラインアップ。それが「ライダー」だった。

メッキを多用したチョイ悪なエクステリア、ノーマルより個性的なインテリアをプラスさせたモデルとして様々なモデルにラインナップ。日産の背が高いモデルのほとんどに設定され、オーテックの看板商品のひとつに成長、昨年30周年を迎えた。

セレナには2代目から設定され人気を博していたが、実は3代目には裏メニューとも言える「パフォーマンススペック/ハイパフォーマンススペック」が存在した(4代目にはパフォーマンススペックのみ設定)。

パフォーマンススペックはボディ剛性アップや専用サスペンションによるフットワーク系チューニング、ハイパフォーマンススペックはそれに加えてエンジンのファインチューニングが行なわれるなど、当時としては本気のミニバンであった。

ちなみに現行セレナにもライダーがラインアップされている。上記のような本気仕様はラインアップしていなかったが、それに変わるのがNISMOロードカーの最新モデルとなる「セレナNISMO」という訳だ。

便利・快適装備の標準化や性能を考えると・・・セレナNISMOはお得だ!

セレナNISMOの価格は3,419,280円、価格だけみるとかなり高めに感じるが、ノーマルで装着比率の高いオプション(プロパイロット、LEDヘッドランプ、ハンズフリーオートスライドドア)は全て標準装備されているので、その分を差し引くとNISMO化に対するコストパフォーマンスは非常に高い。

最近の日産は「電動化」と「電脳化」ばかりが先行しており、走りの部分がないがしろにされている感じが強いが、NISMOロードカーが存在する限りは、“走りの日産”も大丈夫だろう。量産チームもNISMOロードカーの良さは実感しており、「この良さをどう量産で実現させるか?」と言ったようないい流れも生まれ始めているそうだ。

現在、完成車試験の問題で世間を騒がしているが、クルマ屋はクルマで信頼回復をするしかないのだ。

[レポート:山本シンヤ/Photo:和田清志]

日産 セレナNISMOの主要スペック
車種名 日産 セレナNISMO

ベース車

ハイウェイスター

パワートレイン

ハイブリッド

JC08モード燃費

--

価格(消費税込)

341万9280円

全長

4,805mm

全幅(車幅)

1,740mm

全高(車高)

1,850mm

車両重量

1,720kg

乗車定員

8人

ホイールベース

2,860mm

エンジン種類

水冷直列4気筒DOHC

排気量

1,997cc

エンジン最高出力

110kW(150PS)/6,000rpm

エンジン最大トルク

200N・m(20.4kg・m)/4,400rpm

モーター最高出力

1.9kW(2.6PS)/

モーター最大トルク

48N・m(4.9kg・m)/

燃料

無鉛レギュラーガソリン

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山本 シンヤ
筆者山本 シンヤ

自動車メーカー商品企画、チューニングメーカー開発を経て、自動車雑誌の世界に転職。2013年に独立し。「造り手」と「使い手」の両方の気持ちを“解りやすく上手”に伝えることをモットーに「自動車研究家」を名乗って活動をしている。西部警察は子供時代にリアルでTV放送を見て以来大ファンに。現在も暇があれば再放送を入念にチェックしており、当時の番組事情の分析も行なう。プラモデルやミニカー、資料の収集はもちろん、すでにコンプリートBOXも入手済み。現在は木暮課長が着るような派手な裏地のスーツとベストの購入を検討中。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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